電通が全国15~59歳の計2000名を対象に実施した「メタバースに関する意識調査」結果によると、「メタバース」という言葉の認知は3世代全体で71.0%、前年比+52.4ポイントと約4倍の大幅な増加となった。前年認知が低かった「40~50代」も71.8%、前年比+57.9ポイントと、他世代と同等の認知となった。前年と比べ全年代で大きくスコアが上昇。その要因はメタバースをテーマにした報道などメディア露出の拡大などが考えられる。
メタバース上における課金サービス年間利用者数は前年比1.4~1.7倍に増加。1人当たりの年間利用額(平均)も前年比1.6~2.2倍に増加し、課金サービス年間総利用額は前年比約3倍となった。特に(1990年後半から2015年頃までに生まれた)Z世代の男性は利用者数の増加が大きく、「アバターやアバターアイテムの購入」は54.5%、前年比2.4倍となり、その他の項目も前年比1.5~2.3倍に増加した。
課金サービス年間利用者数は全体的に増加しているが、中でもZ世代の男性の拡大が顕著。これまでもメタバース空間はZ世代との有効な接点と考えられてきたが、本調査を通じてZ世代の消費購買行動にも結び付いていることがわかった。Z世代の女性は、3世代全体と比較して「アバターの作成・カスタマイズ」、「自分に似せたアバターの作成」「、空間の設計・デザイン」などクリエイティブな項目のスコアが10ポイント以上高い。
利用者数を増やすには、自由に楽しめるコンテンツを一層充実させることが重要と考えられる。メタバースの体験者は未体験者に比べ、行動面で「新商品や話題の商品・スポットの情報は、自分から周囲の人へ発信する」、「複数の手段・視点で情報収集を行っている」、「日頃から情報収集を積極的にしているほうだ」などの項目に加え、感情面では「挑戦したい」といった、アーリーアダプターの特徴を示す項目が20ポイント以上高い。
Z世代は3世代全体と比較して、「非日常との出会い・異空間の体感」、「仮想空間上で利用できる、3Dアイテムの購入」などのスコアは低い一方で、「アバターの作成・カスタマイズ」、「仮想空間上でのユーザー同士のコミュニケーション」などのスコアは高く、アバターを通した自己表現や他者との交流に関心があると考えられる。
同調査結果は