厚生労働省が22日に公表した「2022年賃金引上げ等の実態に関する調査」結果によると、2022年中に1人平均賃金を「引き上げた(予定含む)」企業は、前年比5.0ポイント増の85.7%となった。1人平均賃金とは、常用労働者の所定内賃金(基本給)の1人当たり平均額で、残業代やボーナスは含まれない。同調査は、常用労働者が100人以上いる企業を対象に今年7月から8月にかけて実施し、2020社から有効回答を得たもの。
1人平均賃金を「引き下げた(予定含む)」企業は前年比▲0.1ポイント減の0.9%、賃金の改定を「実施しない」は同▲3.9ポイント減の6.2%となっている。2022年中の1人平均賃金の改定額は前年を840円上回る5534円、1人平均賃金の改定率は同0.3ポイント増の1.9%。改定額を企業規模別にみると、「5000人以上」は6478円、「1000~4999人」5393円、「300~999人」5658円、「100~299人」4738円だった。
管理職の定期昇給制度の有無をみると、「制度あり」の企業が70.9%、「制度なし」が25.6%。制度ありの企業で2022年中に「定昇を行った・行う」企業は64.5%、「定昇を行わなかった・行わない」企業が5.8%。一方、一般職では、「定昇制度あり」の企業が78.0%、「定昇制度なし」の企業が18.9%。制度ありの企業で2022年中に「定昇を行った・行う」企業は74.1%、「定昇を行わなかった・行わない」企業が3.3%だった。
定昇制度がある企業のうち、「定昇とベア等の区別のある」企業で、2022年中に「ベアを実施した」企業は、管理職で24.6%、一般職で29.9%。また、2022年中に賃金の改定を実施・予定していて額も決定している企業における「賃金カットを実施・予定している」企業は7.1%で、対象者別にみると、「管理職のみ」の企業が34.9%、「一般職のみ」が30.6%、「管理職一部と一般職一部」が34.4%となっており、「一般職全員」は3.9%だった。
2022年中に賃金の改定を実施・予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業の業績」とした企業が40.0%(前年47.3%)と最も多く、「重視した要素はない」(16.7%)を除くと、次いで「労働力の確保・定着」が11.9%(同8.2%)、「雇用の維持」が10.7%(同9.0%)、「親会社または関連会社の改定の動向」が4.6%(同5.0%)などとなっている。
同調査結果の概況は
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/22/dl/10.pdf