教育資金贈与信託の利用経験がある人は19%と2割弱

 信託協会が孫のいる50~89歳の男女を対象に実施した「教育資金贈与信託に関する調査」結果(有効回答数2208人)によると、回答者全体のうち、金銭的援助経験があるのは80%で、具体的内容では、「祝い事にかかる費用」(60%)が最多、「小遣い」(51%)、「おもちゃゲーム代」(45%)などが続いた。「教育資金」への援助経験者は15%だった。具体的には、「学用品の購入費用」が58%で最多、「入学金」も43%と多かった。

 教育資金贈与信託の認知度は、全体では34%。年代別では70代が41%と高めだった。教育資金贈与信託を「仕組みも含め詳細について知っていた」人(4.3%)のうち、教育資金贈与信託の利用経験がある人は19%と2割弱。教育資金贈与信託利用時の援助額の中央値は450万円。利用理由としては、「孫の教育に寄与するから」(67%)、「煩雑な都度の贈与をせずに、一括贈与ができるから」(44%)が上位に挙げられた。

 教育資金贈与信託を利用したタイミングは、「小学校に入学した頃」(33%)が最多、「大学・短期大学に入学した頃」(22%)、「保育園や幼稚園に入園した頃」(17%)が続いた。また、教育資金贈与信託の今後の利用意向は、制度詳細非認知かつ制度利用可能者(1850人)において22%と2割程度だった。利用意向の理由としては「孫の教育に寄与するから」(55%)が最多。援助意向額は、7割(73%)を「300万円未満」が占めた。

 教育資金贈与信託の非利用理由については、「孫は経済的な援助を必要としていなかったから」が29%で最多、「手続きが煩雑そうだったから」(26%)、「援助する経済的余裕がなかったから」(21%)、「自分自身の将来に備えて資産を残しておきたかったから」(21%)が続いた。教育資金贈与信託の非利用意向理由では、「援助する経済的余裕がないから」が31%で最多、「孫にかかる費用は親が負担すべきと考えているから」(30%)が続いた。

 なお、教育無償化制度による教育費負担感は、「大いに軽減されている」が13%、「多少は軽減されていると思う」が55%となった。教育資金贈与信託が、教育無償化制度の補完となるかどうかについては、「有効だと思う」層が98%と大半を占めた。有効だと感じる理由は、「負担は軽減されるが、全ての負担がなくなるわけではない」(35%)、「負担は軽減されるが、将来的な教育費の負担もあるため」(25%)が上位に挙がった。

 同調査結果は

https://www.shintaku-kyokai.or.jp/archives/042/202211/report202210-3.pdf