「社会保険に加入しないよう労働時間短縮」が約2割

 リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター』は、8月下旬に実施した「2022年10月社会保険適用拡大に関する調査」結果を発表した。2022年10月より社会保険の適用範囲が変更となり、これまで従業員規模501人以上、雇用見込期間1年以上だったところから、101人以上と2ヵカ月以上を対象に拡大された。今回の調査は、特に影響の大きいアルバイト・パートとして働く女性を対象に1113人から回答を得た。

 調査結果によると、実際の勤務時間と理想の勤務時間については、理想の勤務時間のほうが長い(もっと長い時間働きたい)女性は全体のうち約3割だった。そのうち、社会保険の加入意向について、25.6%が「加入する」と回答する一方、「加入しないよう、所定労働時間を短縮する」と約2割(20.9%)が回答し、その理由で最も多かったのは「手取りが減るから」だった。

 ただし、もっと働きたい女性の中でも53.5%が「分からない・検討中」と回答しており、社会保険加入と理想の働き方で戸惑いや葛藤を抱えている人も少なくないようだ。また、勤務先に求める説明内容については、「手取りが減らない労働時間数」(42.7%)が最も多いが、「将来もらえる年金が増えること」(28.0%)や「医療保険が充実すること」(22.0%)の説明を求めるのは全体の2割前後で、加入メリットへは関心が高いとは言えない。

 勤務先から説明を受けた人のみに絞ると、42.7%の人が「手取りが減らない労働時間数」を求めているのに対し、実際説明を受けたのは23.8%で18.9ポイントの大きな差があった。どれくらい労働時間数を増やせば手取りは減らないのか、それは今の働き方からどれくらい変わるのか、このあたりを従業員と会話することができれば、本人がより納得感を持って、加入する・しないの方向性を決められるのではないだろうか。

 社会保険加入の主な影響は、国民年金1号・3号ともに、それぞれの影響について約半数が「知らない」と回答。社会保険への加入は保険料負担が増え、「損」と捉えられることが多いが、将来もらえる年金が増加し医療保険が充実するなど、保険料を払うだけのメリットも存在する。また、1号の場合、社会保険加入で保険料負担は軽くなる可能性がある事実を知らない・誤解している可能性の高い人が多く存在していることが明らかとなった。

 同調査結果は

https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20221031_2431.html