リクルートのジョブズリサーチセンターが発表した2022年度の最低賃金改定の影響に関する調査レポートによると、地域別最低賃金は毎年10月上旬頃に各都道府県別に改定されるが、全国加重平均の推移を確認したところ、今年2022年度は中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)より30~31円の引上げが目安として答申され、最終的には30~33円の引上げが決まった。
全国加重平均では31円引き上げられ、961円となった。過去からの推移をみると、引上げ額31円は最低賃金が時給で示されるようになった2002年以降最大となる。最低賃金は、2017年に政府より示された「働き方改革実行計画」等を受け、大幅な引上げ傾向にある。計画では、非正規雇用の処遇改善や生産性向上、長時間労働の是正とともに最低賃金の引上げが言及され、賃金の地域間格差是正にも注目が集まった。
最低賃金については年率3%増加、全国加重平均1000円を目安とする旨が言及されている。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく小幅な引上げとなったが、昨年2021年からは再び大幅な引上げとなった。今年度の地域別最低賃金改定をみると、今年2022年度の改定額は853~1072円で、引上げ率は3.0~4.0%となった。改定額が高いのは、昨年から変わらず首都圏、東海、関西の都府県だ。
10月の改定最低賃金の発効より前の8月時点で、改定後の最低賃金額を下回る求人の割合を確認してみると、2022年は全国で30.4%となった。地域別にみると、2016年~2019年と同様に北海道が最も割合が高く、10月の発効直前まで時給据置きの企業が他地域よりも多いことがうかがえる。また、その他の地域も3割前後と従来に比べて高い水準になっており、全国的に一定数の企業が直前まで時給を据え置いている状況がうかがえる。
8月時点で改定後最低賃金額を下回る求人の割合を職種別にみると、2022年は「販売・サービス系」が43.5%で最も高く、次いで「フード系」が34.3%、「製造・物流・清掃系」が24.3%となっている。これらの職種では10月の発効前まで時給据置きの求人が他職種よりも多いことがうかがえる。過去からの変化を見ると、2016年~2022年まで毎年「販売・サービス系」が最も割合が高くなっている。
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