9月の企業倒産583件、5ヵ月連続で前年同月比増加

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数は583件で、前月比では18.3%増、前年同月比でも13.9%増加し、4ヵ月連続の前年同月比増加となった。特に、前年同月比は4ヵ月ぶりに二ケタ増を記録するなど、2022年5月以降続くコロナ禍初の増加基調は加速化の様相を呈しつつある。業種別では、7業種中、建設業やサービス業など4業種が前年同月比増加した。

 一方、負債総額は1350億3100万円(前月1059億600万円、前年同月914億2500万円)となり、前月比では27.5%増、前年同月比でも47.7%の大幅増加となった。4ヵ月連続での前年同期比増加となり、2020年7月以来2年2ヵ月ぶりに2ヵ月連続で1000億円超えとなった。9月の負債額トップは、養豚業の神明畜産(民事再生法、東京都)の294億5600万円だった。

 業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。資材高騰や人手不足などの影響が残る建設業(前年同月94件→125件、33.0%増)は、一般管工事といった設備工事(同20件→35件)などが増加し、全体でも2002年7月以来約20年ぶりの5ヵ月連続の二ケタ増。サービス業(同134件→157件、17.2%増)は、2009年8月以来約13年ぶりの7ヵ月連続の増加となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は356件(前年同月比9.2%増)で、2ヵ月連続の前年同月比増加となり、構成比は61.1%を占めた。また、「5億円未満」は122件(同20.8%増)と、3ヵ月連続で前年同月比二ケタ増になるなど、中規模クラスの倒産の増加が目立つ。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が408件(同22.9%増)発生し、1年6ヵ月ぶりに400台を記録した。

 地域別にみると、9地域中、6地域で前年同月を上回った。東北(前年同月12件→28件、133.3%増)は、建設業や小売業などの増加もあり、2005年11月~2006年7月以来、9ヵ月連続の前年同月比増加を記録。関東(同183件→228件、24.6%増)では、千葉(同16件→27件)が3年6ヵ月ぶりの5ヵ月連続の増加。北陸(同8件→27件、237.5%増)は、新潟(同4件→11件)や富山(同1件→8件)などの増加が全体の件数を押し上げた。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2209.html