8月の企業倒産493件、4ヵ月連続で前年同月比増加

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は493件で、前月比では▲1.2%だったが、前年同月比では9.8%増加し、4ヵ月連続の増加となった。件数自体は低水準で落ち着いているものの、依然として緩やかな増勢傾向が続く。今月はテラ(株)(東京都、破産、負債約1億8765万円)が倒産し、(株)Nuts(2020年9月)以来、1年11ヵ月ぶりに上場企業倒産が発生した。

 一方、負債総額は1059億600万円(前月903億9300万円、前年同月946億2100万円)となり、前月比では17.2%増、前年同月比でも11.9%増となり、3ヵ月連続での前年同期比増加。8月としては、2018年以来4年ぶりの負債総額1000億円超えとなった。8月の負債額トップは、倉庫など総合物流の日本ロジスティックス(民事再生法、東京都)の151億300万円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。建設業(前年同月78件→98件、25.6%増)では、土木工事など設備工事業(同17→26件)で大幅増となり、全体でも2020年4月以来の4ヵ月連続増加となった。ドライバー不足や燃料価格高騰の影響が続く運輸・通信業(同20件→33件、65.0%増)では、トラック運送など道路貨物運送(同10→22件)が倍増している。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は266件(前年同月比2.7%増)で、2ヵ月ぶりの前年同月比増加となり、構成比は54.0%を占めた。一方、「5億円未満」は137件(同53.9%増)、「10億円未満」でも21件(同16.7%増)と、負債1~10億円の中規模クラスの倒産の増加が目立つ。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が311件(同9.5%増)、構成比は63.1%を占めた。

 地域別にみると、9地域中、5地域で前年同月を上回った。関東(前年同月171件→186件、8.8%増)では、建設業(同31件→42件)や卸売業(同22件→32件)の増加もあり、全体の件数を押し上げた。近畿(同103件→129件、25.2%増)は、大阪(同51件→76件)が前年同月から大幅に増加し、全体でも5ヵ月連続の増加。東北(同21件→22件、4.8%増)は、8ヵ月連続で増加し、連続期間は東日本大震災以降で最長となった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2208.html