コロナ破たん、2022年も前年同期比3割増のペース

 東京商工リサーチの調査・集計によると、9月2日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が7件判明し、全国で累計3993件(倒産3851件、弁護士一任・準備中142件)となった。2021年の年間件数は1718件に達し、2020年の843件に比べて2倍に増加。2022年も8月まで前年同期比3割増となる累計1400件(前年同期比33.2%増)に達し、19ヵ月連続で100件超えを記録している。

 倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計209件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナ関連破たんは累計で4202件に達した。国内の企業数(358万9333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.117%で1000社に1社が破たんした計算。都道府県別で最も比率が高いのは「東京都」の0.211%、一方最低は「宮崎県」の0.040%で、地域間での格差がみられる。

 多くの企業で利用されてきたコロナ関連融資は、据置き期間が終了し、返済開始を迎える時期に差し掛かってきた。だが、コロナ禍以前の水準にまで業績が回復せず、資材高や物価高、円安などの事業環境の悪化も重なり、返済原資を捻出できないケースが増加している。過剰債務に陥った企業の息切れや脱落が件数をさらに押し上げ、コロナ破たんは引き続き増勢をたどる可能性が高まっている。

 都道府県別の累計では、「東京都」が840件と全体の2割強(構成比21.0%)を占め、突出。以下、「大阪府」402件、「愛知県」201件、「福岡県」192件、「神奈川県」185件、「兵庫県」170件、「北海道」155件と続く。業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた「飲食業」が最多で631件に及ぶ。営業制限が続いた地域を中心に、経営体力の消耗やあきらめによる飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性も強まっている。

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した3851件の形態別では、「破産」が3457件(構成比89.7%)で最多。次いで「民事再生法」が156件、「取引停止処分」が143件、「特別清算」が77件、「内整理」が14件、「会社更生法」が4件と続く。「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220902_03.html