博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に8月に実施した「来月の消費予報」によると、9月の消費意欲指数は47.3点で、前月比は-1.3ポイントの低下、前年比では+1.8ポイントの上昇となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は-1.2ポイント、前年比では+3.0ポイントの27.3%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(9月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年9月は、夏休みや帰省シーズンの8月に比べて消費意欲指数が低下する月だ。今年も8月から-1.3ポイント低下したが、前年9月と比べると+1.8ポイントの上昇となった。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(8月372件→9月302件)は減少し、ネガティブな回答(同887件→927件)は増加。具体的には、ポジティブな回答で「(夏休みなど)季節的な意欲向上」(同115件→65件)などが減り、ネガティブな回答では「今月までに多く使った反動で節約」(同31件→109件)などが増えている。夏休みや帰省シーズンを終えた9月らしい結果となっている。
また、「物価高/値上げ/円安」(8月161件→9月101件)は前月から減少したが、8月の新型コロナ感染再拡大により、コロナ禍に関するネガティブな回答(8月18件→9月41件)はやや増加した。前年比では、消費にポジティブな回答、ネガティブ回答ともに件数の大きな変動はなかったが、ネガティブな回答で前年にはなかった「物価高/値上げ/円安」(21年9月2件→22年9月101件)が大幅に増加している。
しかし、「コロナで外出自粛」(21年9月74件→22年9月23件)など、コロナ禍に関連するネガティブな回答(21年9月165件→22年9月41件)は大幅に減少している。物価上昇という懸念材料はありつつも、コロナ禍の消費への影響が薄らいだことで、消費意欲は前年より高まりそうだ。カテゴリー別の消費意向をみると、前年と比べコロナ禍で制限されていた旅行への意向は高まっているようだ。
同調査結果は
→https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2022/08/202209.pdf