焼酎メーカー売上高、霧島酒造が10年連続でトップ

 帝国データバンクが発表した「焼酎メーカー売上高ランキング調査」結果によると、全国焼酎メーカーの2021年1年間の売上高ランキングは、10年連続で霧島酒造(株)(宮崎県都城市)がトップとなった。「黒霧島」を主体に、「白霧島」、「赤霧島」などを展開。コロナ禍による巣ごもり需要から一般個人向けの販売は堅調だったが、度重なる緊急事態宣言の発出から居酒屋やレストランなど業務用が伸びず、前年比▲4.1%となった。

 三和酒類(株)(大分県宇佐市)は、10年連続で2位をキープ。“下町のナポレオン”の愛称で知られる「いいちこ」シリーズを主体に、地元大分県産の麦を使用した「西の星」ブランドを展開。関東・関西・中部などの大都市圏をはじめ、北米やアジアなど世界各国・地域に販路を構築している。しかし、緊急事態宣言の発出などによる影響で外食産業向けの販売が激減分をカバーできず、前年比▲0.6%となった。

 3位はオエノンホールディングス(株)(東京都墨田区)。同社では、傘下の合同酒精(株)(東京都墨田区)、福徳長酒類(株)(千葉県松戸市)、秋田県醗酵工業(株)(秋田県湯沢市)の3社で焼酎を製造しており、しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」をはじめ、本格焼酎「博多の華」シリーズ、北海道において大きなシェアを握る甲類焼酎「ビッグマン」シリーズなど多様なラインナップを展開している。

 新型コロナの影響で外食産業向けの焼酎販売量が減少する一方、“巣ごもり需要”の拡大に伴う“家飲み”需要の増加で「博多の華」シリーズや、甲類乙類混和焼酎の「すごむぎ」「すごいも」シリーズが好調に推移。また、期中に「鍛高譚」の公式Twitterアカウントの開設を記念した販促キャンペーンを実施したほか、商品認知度の向上に努めたが、度重なる時短営業やアルコール類の提供自粛もあって、前年比▲2.5%となった。

 前回調査ではコロナ禍の影響をあまり受けていない企業が散見されたが、2021年調査では大半の企業でコロナ禍の影響を受けており、上位10社中、6社が減収となるなど、トップ10では減収企業が増収企業を上回った。なお、2021年の上位50社の売上高合計は、前年比▲4.2%の2414億9700万円と、5年連続で減少。ピーク時の2008年(3090億1300万円)から▲21.8%減少し、さかのぼって確認できる2005年以降の最低を記録した。

 これは、消費者嗜好の変化によりウイスキーやワイン、リキュール類との競合が激化するなか、若者をはじめとする酒離れなどで苦戦が続いており、さらに、新型コロナによる影響で外食産業向けの販売減をカバーできず、減収を強いられた企業の増加などが影響したとみられる。売上動向をみると、「増収」企業が11社(前年10社)だったのに対し、「減収」が39社(同39社)にのぼり、8割近い企業が減収を余儀なくされた。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s220801_80.pdf