日本生産性本部が雇用者を対象に7月初めに実施した「働く人の意識調査」結果(有効回答数1100人)によると、テレワークの実施率は16.2%と2022年1月調査の18.5%を下回り過去最低を更新した。従業員規模別にみると、101~1000名の勤め先は前回4月調査の25.3%から17.6%に、1001名以上は33.7%から27.9%に減少、100名以下は11.1%から10.4%へと微減し、いずれの従業員規模でも過去最低の実施率を記録した。
年代別では、20代で12.0%、30代で15.5%と、ともに前回4月調査から低下。20代の実施率は全調査回・全年代を通じて最低水準、30代はそれに次ぐ低さとなっている。一方で、40代以上の実施率は17.4%で、前回と大きな変化は見られなかった。自宅での勤務の満足度については、「満足している」、「どちらかと言えば満足している」の計は、前回4月調査で過去最多の84.4%を記録したものの、今回は75.0%に減少した。
現在の景気については、「悪い」が前回4月調査の30.9%から37.6%へと増加。「悪い」と「やや悪い」の計も72.0%と2021年4月以来の7割超えとなり、原材料価格の高騰、急激な円安等が影を落としているとみられる。今後の景気見通しについては、「良くなる」、「やや良くなる」との楽観的な見通しが減少し、「悪くなる」、「やや悪くなる」という悲観的な見通しが増加する傾向は続いている。
自身がコロナに感染する不安は、「かなり不安を感じている」の割合が前回4月調査の19.8%から14.9%へと減少、過去最少になった。年代別では、全ての年代で「不安を感じている」割合(「かなり不安を感じている」と「やや不安を感じている」の計)は減少。また、「かなり不安を感じている」は、70代以上を除く全年代で10%台となり、新型コロナウイルス感染への警戒感は概ね希薄化している。
勤め先の業績への不安については、「不安を感じる」(「かなり不安を感じる」と「どちらかと言えば不安を感じる」の計)は48.7%と過去最少となり、5割を下回ったのは今回が初めて。今後の自身の雇用については、「不安を感じない」(「全く不安を感じない」と「どちらかと言えば不安を感じない」の計)が51.9%と、4回連続で5割を上回った。雇用不安は第3回調査(2020年10月)で底を打ち、その後は改善傾向にある。
同調査結果は↓