コロナ禍の影響により調達難の割合が6割超に上昇

 日本政策金融公庫が発表した「新型コロナウイルス感染症の中小企業への影響に関する調査」結果(有効回答数618社)によると、新型コロナウイルス感染症のマイナスの影響が「現時点で大いにある」、「現時点で少しある」と回答した企業の割合は、2020年8月調査の80.7%をピークに、徐々に割合が低下しているものの、直近の2022年4月調査で67.3%の企業がマイナスの影響を受けていることが分かった。

 2022年4月調査の結果について、最終需要分野別に「現時点で大いにある」、「現時点で少しある」と回答した企業の割合をみると、「衣生活関連」(85.4%)、「食生活関連」(72.7%)、「設備投資関連」(67.0%)などで高くなっている。また、2022年4月調査でマイナスの影響の内容(複数回答)をみると、「国内の取引先企業の需要が減っている」の割合が62.2%と最も高い。

 以下、「原材料・商品が手に入りにくくなっている(仕入価格の上昇を含む)」(61.7%)、「出張・交際・イベントなどの営業活動に制約がある」(30.5%) と続く。これまでの推移をみると、「海外で需要が減っている」を挙げる企業の割合が低下する一方で、「原材料・商品が手に入りにくくなっている(仕入価格の上昇を含む)」を挙げる企業の割合が上昇している。

 新型コロナウイルス感染症への対策(複数回答)をみると、2020年1月~12月は「融資の申請」(57.6%)の割合が最も高く、次いで「雇用調整助成金の申請」(52.3%)と続く。2021年1月~12月をみると「営業の(一部)自粛」(42.6%)を挙げた企業の割合が最も高い。これまでの推移をみると、多くの項目が低下傾向にあるなかで、「在庫・原材料の積み増し」や「販売価格の引上げ」を挙げる企業の割合は上昇している。

 2022年4月調査で業況がコロナ前の水準に回復するのにかかる時間を尋ねたところ、「1年超2年以内」、「2年超3年以内」、「3年超」と答えた企業の割合は40.1%。「わからない」と答えた企業の割合は27.0%になった。また、回復までにかかる時間を「1年超2年以内」、「2年超3年以内」、「3年超」と答えた企業の割合を最終需要分野別にみると、「食生活関連」が50.9%と最も高くなっている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_220524.pdf