食品主要105社、6000品目超が今年「値上げ」

 原料価格の高騰が続くなか、消費者生活に直結する食品分野での価格の改定(値上げ)が相次いでいる。帝国データバンクが発表した「食品主要105社の価格改定動向調査」結果によると、上場する食品主要メーカー105社における2022年以降の価格改定計画(実施済み含む)では、4月14日までに累計6167品目で値上げの計画があることが分かった。このうち、6割超(65.2%)にあたる4081品目では4月までに既に値上げしている。

 今年に入り、食用油や小麦粉、大豆、砂糖など主原料系の高騰が周辺商材へ急速に波及するなか、直近でも冷凍食品や醤油、食肉加工品、水産練り製品、豆乳、菓子などで、原材料高を価格へ反映させる動きが急増している。また、各品目の価格改定率(各品目での最大値)は、平均で11%となった。食品分野別に値上げとなった品目をみると、最も多いのは「加工食品」で2909品目判明し、全体の47%を占めた。値上げ率平均は12%だった。

 加工食品では、ハムなどの食肉加工品から、カマボコなどの水産加工品、即席めんなど、幅広い品目で値上げがみられた。小麦や油脂などの原材料調達価格高騰に加え、原油高でラップなど包装材価格高騰を価格に反映したケースが多かった。次いで多いのは「調味料」の1311品目で、値上げ率平均は9%。加工食品の品目と合わせると、値上げ全体の約7割(68%)を占めた。

 調味料では、ドレッシングやマヨネーズを中心に、特に食用油の価格高騰による影響が目立つ。国内油脂供給量の約4割を占める菜種は主産地のカナダで天候不順により生産量が落ち込む一方、脱炭素社会に向けたバイオ燃料向けの需要が拡大し、相場価格は上昇傾向が続いている。特に、菜種油はマヨネーズやドレッシング類など調味料の原料として使われるため、これらの品目を中心に値上げが相次いだ。

 また、「酒類・飲料」(744品目)では、サトウキビなどから作られる粗粒アルコールの価格高騰のほか、輸入ワインなどが物流費高騰や円安の影響から値上げを実施している。そのほか、「菓子」(431品目)でも、ジャガイモの不作のほか、油脂、砂糖といった原料高、包装資材の高騰が響いた。「乳製品」(400品目)では、中国での消費拡大から輸入チーズの原料高が影響している。

 同調査結果は↓https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220408.pdf