内閣府が18日に発表した「貸家建設の動向について」と題したマンスリー・トピックス(最近の経済指標の背景解説)によると、新設住宅着工戸数の2021年前半における持ち直しの動きや2021年末の弱含みには、貸家着工の動向が大きく影響していると指摘した。そこで、貸家は着工戸数全体の約4割を占めており、2021年の住宅建設の動向の背景を把握するために、貸家建設の動向の背景を分析している。
減少が続いていた貸家着工は、2021年前半に増加に転じた。建築主別にみると会社建築主が増加しており、構造別にみると鉄筋コンクリート造等が増加していることから、企業による賃貸マンション建設が増加をけん引した可能性が考えられる。一方、2021年末にかけて貸家着工は弱含んでいるが、床面積の規模別にみると、30平方メートル以下の貸家の減少が影響していることを確認している。
新型コロナウイルス感染症下では、都市部と郊外地域の両方において住宅需要の高まりがみられるが、貸家着工を地域別にみると、東京都や大阪府といった都市部で増加していることが確認できる。東京都では面積の大きい貸家の着工が増加する一方で、面積の小さい貸家の着工が減少していることが確認でき、在宅勤務の広がりにより高まっている、広い住宅に対する需要を反映している可能性が考えられる。
以上のように、2021年の貸家着工は、感染拡大を背景に生じた変化による影響を受けてきたと分析。現在生じている広い住宅への需要が継続するかどうかは、感染拡大によって広がった在宅勤務という働き方が、感染症の有無にかかわらず定着するかどうかに依存しているともいえる。在宅勤務の実施状況を踏まえて、床面積規模別の貸家着工の動向を注視していくことが、当面の貸家建設の動向を分析する際に有用との考えを示している。