弁護士や税理士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、社会保険労務士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士などに報酬・料金を支払うときは、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならない。弁護士や税理士などの業務に関する報酬・料金は、源泉徴収の対象となるわけで、謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれる。
ただし、支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う交通費、宿泊費等で、その金額が通常必要な範囲内のものであるときは、源泉徴収の対象となる報酬・料金に含めなくてもよいことになっている。また、弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかなものについては、源泉徴収をする必要はない。
さらに、源泉徴収を要するのは個人の税理士や弁護士に支払われるもので、内国法人に該当する税理士法人や弁護士法人に支払われるものは源泉徴収を要しない。なお、報酬・料金の中に消費税等が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象とするが、請求書等において、報酬・料金の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えない。
源泉徴収すべき所得税額等の額は、支払金額が10万円以下は「支払金額×10.21%」、100万円超は「(支払金額-100万円)×20.42%+10万2100円」となる。例えば、150万円の弁護士報酬を支払う場合は、「(150万円-100万円)×20.42%+10万2100円」で、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は20万4200円になる。なお、司法書士、土地家屋調査士又は海事代理士の場合は「(支払金額-1万円)×10.21%」となる。
弁護士や税理士等に支払った報酬・料金から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として、支払った月の翌月の10日までに納めなければならない。ただし、支払者が納期の特例の適用を受けている場合には、1月から6月までの間に支払った報酬・料金に対して源泉徴収した所得税等の納付期限は7月10日、7月から12月までの間に支払った報酬・料金に対して源泉徴収した所得税等の納付期限は翌年1月20日となる。