国税庁はこのほど、税理士法改正で見直された税理士試験の受験資格要件で、大学等での履修科目となる「社会科学に属する科目」に該当する具体的な科目名を公表した。それによると、社会科学に属する科目には、見直し前の「法律学又は経済学に属する科目」に該当していた科目のほか、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等の科目が該当するとしている。
履修した科目が社会科学に属する科目に該当するかどうかが科目の名称から判定しかねる場合には、授業内容が記載されている学生便覧や担当教授の専門分野等が分かるものを取り寄せ、国税局・所の人事課税理士試験担当係へ照会するよう呼びかけている。また、社会科学に属する科目に該当するかどうか判断する際の参考となるのが、文部科学省が公表している学科系統分類表である。
学科系統分類表は、学部を大分類、中分類、小分類(学科)に分類し、大分類には人文科学や理学、工学、農学等とともに社会科学があり、社会科学の中分類を法学・政治学関係、商学・経済学関係、社会学関係、その他に分け、さらに小分類としてそれぞれの中分類の中で、政治学や行政学、社会学等の学科名をあげている。なお、変更された受験資格による税理士試験は、2023年度(第73回)から実施される。
試験により税理士資格を取得するには、税法3科目、会計学2科目の計5科目を合格すればよいが、誰でも受験できるわけではなく、大学等で法律学又は経済学を履修した者や日商簿記1級合格者、2年以上の会計・事務経験者等の受験資格が要件とされる。2022年度税制改正では、税理士法が改正され、税理士試験の受験資格について、まず、会計学に属する試験科目(簿記論・財務諸表論)の受験資格を不要となり、誰でも受験が可能となる。
次に、税法に属する試験科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)の受験資格のうち、対象となる大学等での履修科目を社会科学に属する科目に拡大、とする要件緩和が行われている。
この件は↓
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/01.pdf