「不動産譲渡契約書」等の印紙税軽減措置が2年延長

 2022年度所得税法等一部改正法により、租税特別措置法の一部が改正され、「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」については、2022年4月1日から2024年3月31日までに作成されるものについても、印紙税の軽減措置が適用される。これまでは、1997年4月1日から2022年3月31日までに作成されるこれらの契約書について軽減措置の対象(2014年4月1日以後作成される契約書については一部拡充)とされていた。

 軽減措置の対象となる契約書は、「不動産譲渡契約書」のうちその契約書に記載された契約金額が10万円を超えるもの及び「建設工事請負契約書」のうちその契約書に記載された契約金額が100万円を超えるもので、2024年3月31日までの間に作成されるもの。これらの契約書に係る印紙税の税率は、印紙税法別表第一第1号及び第2号の規定にかかわらず、「契約金額」の区分に応じ、「軽減後の税率」の金額となる。

 例えば、「不動産譲渡契約書」の契約金額が「10万円超50万円以下」であれば、本則税率400円のところ200円に軽減される。なお、不動産の譲渡契約及び建設工事の請負契約の成立を証明するために作成するものであれば、その文書の名称は問わず、また、土地・建物の売買や建設請負の当初に作成される契約書のほか、売買金額の変更や請負内容の追加等の際に作成される変更契約書や補充契約書等についても軽減措置の対象となる。

 軽減措置の対象となる「不動産譲渡契約書」では、不動産の譲渡に関する契約と同号に掲げる他の契約が併記された契約書も軽減措置の対象となる。例えば、建物の譲渡(契約金額4000万円)と定期借地権の譲渡(契約金額2000万円)に関する事項が記載された契約書であれば、この契約書に記載された契約金額は6000万円(建物の契約金額4000万円+定期借地権の契約金額2000万円)だから、印紙税額は3万円となる。

 また、軽減措置の対象となる「建設工事請負契約書」でも同様に、その契約書に建設工事以外の請負に係る事項が併記されていても軽減措置の対象となる。なお、建設工事とは、建設業法第2条第1項に規定する土木建築に関する工事の全般をいう。したがって、建設工事に該当しない、建物の設計、建設機械等の保守、船舶の建造又は家具・機械等の製作若しくは修理等のみを定める請負契約書は、軽減措置の対象とはならないので注意したい。

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https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/0020003-096.pdf