日本政策金融公庫が、食品産業動向調査(2022年1月調査)において実施した「食品産業における原材料高騰等の影響とその対応についての特別調査」結果(有効回答数2386社)によると、食品産業における原材料高騰等に伴うコストへの影響について、2021年7~12月のコストが前年同期と比較して増加したとの回答が82.2%となった。前年同期と比較したコストの増加割合は、「1割以内の増加」が64.8%、「1割超の増加」が17.5%となった。
コストの増加割合について、「1割超の増加」は、「油脂」(44.4%)が最も高く、次いで「水産食品」(33.5%)、「精穀・製粉」(25.0%)が続いた。コスト増加分の価格転嫁の状況は、「販売価格に転嫁した(しようとしている)」とする回答(44.4%)と「コスト増を転嫁できない」(44.7%)が同程度となった。製造業では、「コスト増を転嫁できない」(49.4%)が「販売価格に転嫁した(しようとしている)」の回答(40.4%)を上回った。
価格転嫁の状況を輸入穀物や原油の価格高騰があった2008年の調査と比較すると、「コスト増を転嫁できない」(44.7%)と「転嫁させる必要がない」(10.9%)を合わせた、「販売価格に転嫁していない」とする回答(55.6%)は20.1ポイント高くなっている。コスト増加分を「販売価格に転嫁した(しようとしている)」とする回答割合は、「パン」(81.0%)が最も高く、「油脂」(72.7%)、「糖類」(66.7%)、「めん類」(61.8%)が続いた。
コストの増加分の全額を価格転嫁できない理由については、製造業、小売業で「同業者との横並びを基準に価格転嫁を決定したから」(各28.4%、34.5%)、卸売業で「取引先に価格決定権があるため」(37.9%)、飲食業で「経営方針や戦略に値上げがそぐわないから」(31.7%)との回答割合がそれぞれ最も高くなった。食品製造業では、売上規模が大きくなるほど「取引先に価格決定権がある」との回答割合が高くなる傾向となった。
コストの増加への対応策は、製造業、小売業、飲食業(外食)で「歩留・ロスの改善」(各50.4%、41.9%、52.2%)、卸売業で「物流ルートの見直し」(33.1%)の回答割合がそれぞれ最も高くなった。
同調査結果は↓https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_220316a.pdf