1月倒産件数482件、大幅減少トレンドに“底打ち”

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は482件で、前月比では▲3.8%、前年同月比でも▲4.7%となった。8ヵ月連続の前年同月比減少も、減少率は2021年7月(▲42.1%)をピークに低下傾向にあり、二ケタの大幅減が続いた倒産抑制に“底打ち”の兆しがみられる。業種別にみると、7業種中、建設業や小売業など4業種で前年同月比増加となった。

 一方、負債総額は679億7000万円(前月975億5900万円、前年同月912億5800万円)となり、前月比では▲30.3%、前年同月比でも▲25.5%の減少となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。1月としては1990年以来32年ぶりの低水準となった。負債5000万円未満の倒産は294件、前年同月比▲8.4%の減少となり、小規模倒産が約6割を占める。負債額最大の倒産は、タストン・リサイクル(株)(東京都、破産)の約51億円だった。

 業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。建設業(前年同月90件→100件、11.1%増)は、資材価格や労務費の増加などにより、二ケタの増加。製造業(同42件→46件、9.5%増)では、建築用金属製品製造やコンクリート製品製造などの建築資材関連の倒産が発生したこともあり、8ヵ月ぶりに増加。一方、小売業(同121件→90件、▲25.6%)では、飲食店(同48件→33件)が過去最長となる8ヵ月連続の減少となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は294件(前年同月比▲8.4%)で、構成比は61.0%を占めた。資本金規模別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が321件(同▲10.3%)で構成比は66.6%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(79件)が構成比26.9%(同▲0.5ポイント)を占め最多、建設業(63件)が同21.4%(同4.9ポイント増)と5年5ヵ月ぶりに20%超となった。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を下回った。近畿(前年同月141件→123件、▲12.8%)は、特に飲食店(同19件→12件、▲36.8%)で大幅な減少となった。また、中部(同74件→50件、▲32.4%)では、長野県以外の5県で二ケタの減少率を記録した。一方、関東(同180件→190件、5.6%増)など3地域では、前年同月から増加。関東では、東京都(同77件→89件)が8ヵ月ぶりに増加した。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2201.html