帝国データバンクがこのほど発表した全国企業メインバンク動向調査」結果によると、2021年の全国メインバンク社数トップは「三菱UFJ銀行」となった。企業数は9万6511社となり、2009年の調査開始以降13年連続のトップ。しかし、社数は減少が続いているほか、全国シェアも6.64%と前年から0.10ポイント減少。12年連続のシェア縮小となり、減少幅は全金融機関で最大となっている。
2位は「三井住友銀行」の7万7437社(シェア5.33%)。前年からシェアで0.08ポイント、社数で約1200社減少しており、昨年を上回る減少幅となった。3位の「みずほ銀行」(6万2291社、シェア4.34%)も、シェアで0.06%、社数で約1000社減少し、同じく過去最大の落込みを記録。この結果、都市銀行(メガ)上位3行のメイン社数は昨年比で約3700社、シェアにして計0.24ポイントの減少となり、メイン社数の減少が進んでいる。
一方、同じメガの「りそな銀行」(3万469社、同2.10%)、「埼玉りそな銀行」(1万7418社、同1.20%)は、ともに社数・シェアで増加した。地方・第二地方銀行では「北洋銀行」(2万3895社)が最多。次いで「福岡銀行」(2万1871社)、「千葉銀行」(2万1124社)、「西日本シティ銀行」(2万563社)と続く。上位10行のうち、福岡銀行は最もメイン社数が増加した。また、増加社数が200社を超えたのは福岡銀行のほか3行庫のみ。
業態別にみると、シェアが最も高いのは「地方銀行」で40.51%となり、コロナ禍で存在感を高めている。全業態のなかでは唯一3年連続で4割を超えた。シェア拡大は12年連続となり、2009年の調査開始以降、地方銀行のシェアは総じて拡大傾向が続いている。次いで「信用金庫」(シェア23.39%)が続き、3年連続でシェアが拡大、地方銀行と信用金庫を合わせたシェアは全体の3分の2に迫る。
実店舗を持たずインターネットバンキングなどオンラインでの金融事業を主力事業とする「ネット銀行(新形態の銀行)」も、少数ながらシェアの拡大が続いている。ネット銀行のシェアは0.14%(前年比+0.01ポイント)となり、調査当初の2009年(シェア0.01%)から14倍に拡大した。特に「住信SBIネット銀行」、「楽天銀行」などをメインとする企業が増えており、両行を中心にネット銀行全体のシェアを押し上げている。
他方、全国で3メガを含む「都市銀行」のシェアは19.54%で、前年を0.24ポイント下回り過去最低を更新した。シェアの低下幅は2009年以来過去最大で、都市銀行全体ではシェア縮小の傾向が続く。「第二地方銀行」(シェア9.67%)は3年連続で1割を下回り、2年ぶりに前年から縮小した。「信用組合」(シェア2.46%)は2年連続でシェアが低下している。
同調査結果は↓