JTBが発表した「年末年始(2021年12月23日~2022年1月3日)の旅行動向調査」結果(有効回答数1498人)によると、年末年始期間の国内の旅行動向については、各種経済指標、交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況、各種定点意識調査などをもとに算出し、1800万人(19年比▲38.5%、20年比+80.0%)と推計した。今期も夏季同様、新型コロナの世界的拡大により海外渡航が制限されているため、国内旅行のみを対象としている。
旅行内容をみると、旅行日数は、「1泊2日」が36.3%と最多、前年より5.5ポイント上昇。次いで「2泊3日」(26.3%、前年比+1.1ポイント)、「3泊4日(15.2%、同▲2.2ポイント)」となった。同行者は、「家族連れ」が56.7%と半数以上を占めているが、昨年からは4.9ポイント減少。新型コロナの感染拡大が比較的落ち着き、旅行に行く人が増え、同行者が昨年の家族中心から友人・知人などにも広がったからと考えられる。
旅行先は、最も割合が高かったのは「関東」(22.2%、前年比+0.6ポイント)、次が「近畿」(17.6%、前年比+1.3ポイント)と、いずれも前年より高い結果だった。今年の、短期間の旅行の増加を反映し、「北海道」(5.5%、前年比▲1.6ポイント)」及び「沖縄(2.1%、前年比▲1.7%)」は昨年より低くなった。昨年より高い旅行先は「甲信越」、「東北」、「北陸」、「近畿」だった。
一人当たりの旅行費用は、「1万円~2万円未満」(25.5%、前年比+2.2ポイント)が最も多く、次いで「1万円未満」(21.7%、前年比+0.2ポイント)、「2万円~3万円未満」(18.2%、前年比▲1.0ポイント)」となり、3万円未満が全体の65.4%を占めている。国内旅行の平均費用は3万2000円(2019年比±0%、2020年比▲3.0%)、総額5760億円と推計している。
利用交通機関は、例年過半数を占める「乗用車」だが、今年は54.7%で前年から1.6ポイント減少。全体的には公共交通機関の利用が増え、「JR新幹線」(24.2%、前年比+3.5ポイント)、「JR在来線・私鉄」(22.6%、同+1.2ポイント)、「高速/長距離バス」(7.7%、同+1.3ポイント)」となった。航空機では格安航空会社(LCC)は昨年より増加したものの、従来の航空会社は短期の旅行が増えたこともあり減少する結果となった。
利用宿泊施設は、「ホテル」が34.6%と最も多く、次いで「夫や妻の実家」(23.9%)、「旅館」(18.7%)が続いた。「ホテル」は前年より1.3ポイント減少したが、「旅館」は0.4ポイント上昇。旅館は2020年にコロナ禍以前の2019年より3.9ポイント上昇しているので、都市部のホテル滞在と比べ地方の旅館滞在を志向する人が増えていると考えられる。
同調査結果は↓