国税庁は、新型コロナウイルスの影響による外食産業の落込みに伴う酒類消費の大きな減退に対応するため、酒類事業者による販路拡大・消費喚起につながる取組みや、酒類事業者が直面する課題の解決に向けた新市場開拓のための取組みに対し、2021年度補正予算で酒類業振興経費として13.8億円を計上した。これは、11月19日に閣議決定した経済対策に盛り込まれた事業者支援策に基づくもの。
事業者支援策では、地方活性化に向けた積極的投資として、日本産酒類の販路拡大・消費喚起等推進事業を掲げている。新市場開拓支援事業では8億円を計上し、フロンティア補助金として、酒類事業者が直面する課題や新型コロナウイルス拡大の影響で顕在化した課題等に対応した、酒類事業者による新市場開拓のための取組みを支援する。国税庁(国税局)は、補助金を交付する酒類事業者から取組みの進捗・成果報告を受け、進捗管理を行う。
一方、販路拡大・消費喚起推進事業として5.5億円を計上。酒類事業者団体等による日本産酒類の販路拡大や消費喚起に向けた各種イベント・情報発信について、有効な開催手法や形態にかかるモデル事例の構築を支援する。国税庁から事業を委託された民間事業者が酒類事業者団体等に費用支払・実施支援を行い、酒類事業者団体等は、民間事業者を通じて国税庁に成果報告をする。
このほか、「伝統的酒造り」の登録無形文化財登録が答申されたことを踏まえ、日本酒、焼酎・泡盛等のユネスコ無形文化遺産登録に向けた機運醸成のためのシンポジウム開催に0.3億円を計上している。ちなみに、登録無形文化財とは、生活文化や芸能、工芸技術などの幅広い保護のため、文化財保護法の改正により今年6月に新設された登録制度。重要無形文化財に指定されていない文化財のうち、特に保存や活用が必要なものが対象となる。
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