社長「輩出率」トップは徳島県、「地元率」は沖縄県

 東京商工リサーチが発表した「社長の輩出率、地元率調査」結果によると、2021年の都道府県別人口に対する社長「輩出率」は、「徳島県」が1.35%で5回連続の首位だった。また、社長の「地元率」は、「沖縄県」が92.8%と他を圧倒。調査を開始以来、9回連続でトップを維持した。徳島県は堅実・実利を尊ぶ県民性として知られるほか、ブロードバンド環境の整備を進め、先端産業・ベンチャー企業集積も目指している。

 徳島県の人口(71万9559人、「令和2年国勢調査」2020年10月1日時点基本集計値)は、5年前の平成27年国勢調査から4.6%減少し、減少率は全国平均(0.7%減)を大きく上回る。産業や観光・文化等の進行を目的とした「関西広域連合」に四国で唯一参加し、関西圏との距離が近い。そのためか、住民の転出数が転入数を上回り、人口減少が社長「輩出率」首位を守る一因にもなっている。

 社長「輩出率」2位は「山形県」の1.18%。「辛抱強くて、堅実」な県民性に加え、江戸時代から商工業が活発な土地柄で、絹織物「米沢織」や「山形鋳物」など伝統工芸品が数多くある。3位は「香川県」の1.13%、次いで、「秋田県」1.10%、「愛媛県」1.02%の順。いずれも人口減少率が全国平均を上回る。一方、輩出率が低いのは、47位が「埼玉県」(0.26%)。次いで、46位「千葉県」(0.27%)、45位「神奈川県」(0.33%)と首都圏が続く。

 地元出身者が地元企業の社長を務める社長「地元率」は、「沖縄県」が92.8%で唯一9割を超え、9回連続でトップ。最近は観光関連を中心に、旺盛な開業意欲が地元率を高めたとみられる。東京商工リサーチが5月に発表した“2020年「全国新設法人動向」調査”で、新設法人数を「国税庁統計年報」に基づく普通法人数で除した「新設法人率」は沖縄県が7.8%で11年連続トップだった。

 「地元率」の上位は、沖縄県に次いで、「愛知県」89.5%、「広島県」87.5%、「北海道」87.2%と続く。愛知県、広島県は中核都市であると同時に、自動車産業など基幹産業の取引先や関連企業などの裾野が広く、下請け企業などで先代の跡を継いだ同族社長が多い。一方、「地元率」が最も低かったのは、「奈良県」の65.9%。次いで、「長崎県」67.0%、「兵庫県」67.9%、「佐賀県」68.5%と続く。全国平均は79.8%で、23道県で平均を上回った。

 同調査結果は↓

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