今年冬のボーナス、企業の18.5%が前年より「増加」

 2021年は1月に緊急事態宣言が発令、4月からはまん延防止等重点措置が加わるなど、長期にわたり経済活動が抑制された。新たなビジネス領域の開拓で業績が改善した企業がある一方で、人流減少による影響が表れるなど、賃金や個人消費の動向に一段と関心が高まっている。そこで、帝国データバンクは、「2021年冬季賞与の動向についての調査」を実施した。1万1504社から回答を得た。

 調査結果によると、2021年の冬季賞与(ボーナス、一時金、寸志など含む)の従業員一人当たり平均支給額について、「賞与があり、増加する(した)」企業は18.5%となった。特に、精密機械や医療器具、鉄鋼・非鉄・鉱業など製造業で高く、2020年と比べると賞与が増加する企業の割合は10ポイント以上上昇。一方で、「賞与はない」企業は12.0%だった。「旅館・ホテル」は5割超、「繊維・繊維製品・服飾品小売」は4割を超えている。

 新型コロナショック下のなか、2年連続で冬季賞与が増加する(した)企業は5.1%だった。特に、自宅内で過ごす時間が増えたことの好影響を受けた、放送業や家具類小売業で2年連続増加する企業が多くみられた。賞与を増やす企業からは「今後、政府が消費喚起のために賃金アップを促す政策を強化しているので、その効果が徐々に出始め、全体的に経済の活気が出てくる」(木材・竹材卸売)といった意見も聞かれた

 2021年冬は企業の約8割が、ボーナスや一時金などを含め何らかの賞与を支給する予定となっている。また、新型コロナ下においても、2年連続で賞与が増加する企業も一定割合存在している。今後、景気が回復するためには個人消費の活発化が不可欠であるが、賃上げを通じた所得の増加は消費拡大の基盤となり、ボーナスの増加はそのきっかけとなり得るとみている。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p211202.pdf