2022年の中小企業の業況判断DIは上昇する見通し

 日本政策金融公庫が発表した「2022年の中小企業の景況見通し調査」結果(有効回答数627社)によると、2021年の業況判断DI(前年比、「改善」-「悪化」割合)(実績)は、15.3と、2020年から75.5ポイント上昇した。2022年の業況判断DI(見通し)は、21.9と、2021年から6.6ポイント上昇する見通しで、需要分野別にみると、2021年に比べて、建設関連、設備投資関連、食生活関連、衣生活関連で上昇する見通し。

 2021年の業況が「改善」と判断した要因(3つまで回答)をみると、「国内需要の動向」の割合が83.5%で最も高く、次いで「海外経済の動向」(32.2%)、「新型コロナウイルス感染症の影響」(29.7%)の順。「悪化」と判断した要因(同)をみると、「国内需要の動向」の割合が80.1%で最も高く、次いで「新型コロナウイルス感染症の影響」(68.5%)、「主要原材料等の仕入価格の動向」(45.2%)の順となっている。

 2022年の売上高DI(前年比、「増加」-「減少」割合)は27.5と、2021年(18.7)から8.8ポイント上昇する見通し。2022年の経常利益額DI(同)は15.3と、2021年(11.2)から4.1ポイント上昇する見通し。2022年の販売価格DI(前年比、「上昇」-「低下」割合)は、27.5と、2021年(19.2)から8.3ポイント上昇する見通し。2022年の仕入価格DI(同)は47.4と、2021年(51.5)から4.1ポイント低下する見通し。

 2022年に向けての不安要素(3つまで回答)は、「原材料価格、燃料コストの高騰」が67.4%と「国内の消費低迷、販売不振」(61.3%)を上回り、第1位となった。「原材料価格、燃料コストの高騰」(+52.9ポイント)や「人材の不足、育成難」(+13.4ポイントの37.0%)などの割合は、前年調査に比べて上昇。また、2022年に注力する分野(同)は、「営業・販売力の強化」が60.4%と、これまで同様最も高い割合を占めている。

 次いで、「人材の確保、育成」(+7.7ポイントの55.6%)や「販売価格の引き上げ、コストダウン」(+14.7ポイントの38.8%)などの割合は、前年調査に比べて上昇している。なお、2022年に期待する要素は、「新型コロナウイルス感染症の影響の収束」が49.1%と最も高く、次いで「原油価格の下落によるコスト低下」(10.0%)、「海外景気の回復による外需の増加」(9.7%)の順となっている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/c3_2112.pdf