11月倒産件数468件、集計開始以降過去最少を更新

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は468件で、前月比では▲8.6%、前年同月比でも▲16.9%となった。11月としては2000年以降最少。1999年以前と比較しても、集計を開始した1964年の471件を下回り、過去最少を更新した。また、前年同月比でも6ヵ月連続の二ケタ減となり、倒産件数が大幅に抑制された状態が続いている。

 一方、負債総額は814億9700万円(前月967億2700万円、前年同月952億1200万円)となり、前月比では▲15.7%、前年同月比でも▲14.4%の減少となった。4ヵ月ぶりに前年同月比減少に転じたほか、11月として1973年以来48年ぶりの低水準となった。負債5000万円未満の倒産は277件、前年同月比▲23.9%の減少。負債額最大の倒産は、D-LIGHT(株)(東京都、破産)の約214億円だった。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。サービス業(前年同月145件→125件、▲13.8%)は、理美容業(同16件→2件)のほか、マッサージ業(同15件→4件)などが件数を押し下げた。小売業(同134件→89件、▲33.6%)でも、飲食店(同63件→33件)が前年同月から▲47.6%と半減しており、緊急事態宣言解除以降の人流増加の影響もあり、B to C業種では減少傾向が続く。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は277件(前年同月比▲23.9%)で、構成比は59.2%を占めた。5000万未満の構成比が対前年同月で6ヵ月連続の減少となった一方、1億円以上10億円未満の中規模倒産の占める割合は4ヵ月連続で増加するなど、負債では大型化の兆しがみられる。資本金規模別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が340件(同▲12.1%)で構成比は72.6%を占めた。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月比二ケタの大幅減少。関東(前年同月185件→151件、▲18.4%)では、6ヵ月連続で二ケタの大幅な減少が続き、なかでも、東京都(64件)は11月として過去40年で最少となった。近畿(同183件→137件、▲25.1%)は、奈良県を除く2府3県で減少となり、地域全体で二ケタ減。前年同月から半減した卸売業(11件)をはじめ、小売業(31件)やサービス業(33件)でも30%以上の大幅減となった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2111.html