2019年度の一人当たりの国民医療費、35万1800円

 2019年度の国民医療費は44兆3895億円で、前年度に比べ2.3%増加して過去最高だったことが、厚生労働省が公表した2019年度「国民医療費の概況」で分かった。3年連続で増加し、高水準で推移している。人口一人当たりの国民医療費は35万1800円で、前年度に比べ2.5%の増加。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.93%(前年度7.79%)、国民所得(NI)に対する比率は11.06%(同10.79%)となっている。

 制度区分別にみると、「公費負担医療給付分」は3兆2301億円(構成割合7.3%)、「医療保険等給付分」は20兆457億円(同45.2%)、「後期高齢者医療給付分」は15兆6596億円(同35.3%)、「患者等負担分」は5兆4540億円(同12.3%)。対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は1.7%増、医療保険等給付分は1.6%増、後期高齢者医療給付分は4.0%増、患者等負担分は0.9%増となっている。

 財源別にみると、「公費」は16兆9807億円(構成割合38.3%)、そのうち国庫は11兆2963億円(同25.4%)、地方は5兆6844億円(同12.8%)。「保険料」は21兆9426億円(同49.4%)、そのうち事業主は9兆4594億円(同21.3%)、被保険者は12兆4832億円(同28.1%)。また、患者負担及び原因者負担の「その他」は5兆4663億円(同12.3%)、そのうち患者負担は5兆1837億円(同11.7%)となっている。

 診療種類別では、「医科診療医療費」は31兆9583億円(構成割合72.0%)、そのうち入院医療費は16兆8992億円(同38.1%)、入院外医療費は15兆591億円(同33.9%)。また、「歯科診療医療費」は3兆150億円(同6.8%)、「薬局調剤医療費」は7兆8411億円(同17.7%)、「入院時食事・生活医療費」は7901億円(同1.8%)、「訪問看護医療費」は2727億円(同0.6%)、「療養費等」は5124億円(同1.2%)となっている。

 年齢階級別の割合をみると、「0~14歳」は5.6%、「15~44歳」は11.8%、「45~64歳」は21.6%で、「65歳以上」が61.0%と約6割を占める。人口一人当たり国民医療費では、「65歳未満」の19万1900円に対し、「65歳以上」は75万4200円と約4倍にのぼる。そのうち医科診療医療費では、「65歳未満」が12万9800円、「65歳以上」が56万4000円。歯科診療医療費では、「65歳未満」が1万9900円、「65歳以上」が3万3900円だった。

 この件の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/19/dl/data.pdf