9月の倒産件数512件、2000年以降9月として最少

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数は512件で、前月比は14.0%増も、前年同月比では▲15.0%と、2000年以降9月としては過去最少を記録した。また、4ヵ月連続で月別の過去最少件数となり、資金繰り支援による倒産抑制の効果が続いている。業種別では、7業種中6業種で前年同月比減少。地域別でも、9地域中6地域で前年同月比減少となった。

 一方、負債総額は914億2500万円(前月946億2100万円、前年同月679億9600万円)、前月比では▲3.4%も、前年同月比では34.5%の増加となって、件数自体は引き続き減少傾向にあるものの、負債1億円以上の倒産が増加したことで、2ヵ月連続の増加となった。負債5000万円未満の倒産は326件、前年同月比▲22.0%の減少。負債額最大の倒産は、(株)デジポケ(東京都、破産)の約101億円だった。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。建設業(94件、前年同月比▲10.5%)、製造業(61件、同▲11.6%)、小売業(99件、同▲34.9%)は4ヵ月連続の二ケタ減。建設業は職別工事、総合工事、設備工事の全てで減少。また、小売業は9月としては20年ぶりに100件を下回る低水準となり、なかでも飲食店(48件)は▲30.4%の大幅減となった。一方、運輸・通信業(23件、同109.1%増)は、唯一前年同月を上回った。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は326件(前年同月比▲22.0%)で、構成比は63.7%を占めた。資本金規模別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が332件(同▲20.4%)で構成比は64.8%を占めた。業種別では、6ヵ月ぶりに100件を超えたサービス業(102件)が構成比31.3%(同3.8ポイント増)を占め最多、小売業(75件)が同23.0%(同▲4.3ポイント)で続く。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月比減少となった。なかでも東北(12件、前年同月比▲42.9%)は15ヵ月連続の減少で、2009年3月~10年8月(18ヵ月)に次ぐ連続期間。関東(183件、同▲22.5%)は、群馬県を除く1都5県で減少。4ヵ月連続での二ケタ減と、引き続き減少基調となっている。また、北陸(8件、同▲46.7%)は、2000年以降2番目の低水準だった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2109.html