「人手が不足」と回答した企業は49.9%~日商調査

 日本商工会議所がこのほど発表した「多様な人材の活躍に関する調査」結果(有効回答数3123社)によると、「人手が不足している」と回答した企業は49.9%となり、前年調査から13.5ポイント増加した。人手不足状態に戻りつつあるが、コロナ前水準(2019年調査66.4%)には至っていない。「今後採用を増やす」対象は、最多が「若年者」(66.3%)、次いで「女性」(40.7%)となった。「女性」は前年調査より9.7ポイント増加している。

 コロナ収束後を見据え「政府が要件・規制を緩和すべき働き方、推進すべき取組み」(複数回答)については、「時間にとらわれない柔軟な働き方」(32.1%)を挙げる企業が最も多く、次いで、「解雇に係る法制・規制の緩和」(21.5%)、「IoTやAI、RPAの活用」(20.4%)などとなった。また、「女性の活躍を推進している」と回答した企業は80.5%に達するが、うち半数以上の企業が「課題がある」と回答。

 その内容(複数回答)は、「女性の管理職・役員比率が低い」(44.7%)が最多、「求める能力を有する女性人材が思うように採用できない」(36.0%)、「女性社員が思うように成長・スキルアップしない」(31.8%)などが続いた。女性の活躍推進の課題に対する要因について、外部要因(複数回答)では、「税・社会保険負担(106万円、130万円の壁等)が障壁となり、就業調整を意識する女性社員が多い」(36.6%)と回答した企業割合が最も高い。

 本人要因(複数回答)では、「女性社員が現状以上に活躍したいと思っていない」(49.1%)、「家事・育児の負担が女性社員に集中している」(40.3%)が多く、内部要因(複数回答)では、「社内にロールモデルとなる女性社員が少ない」(42.2%)が最多、次いで「残業を含め労働時間が長く仕事と家庭の両立が難しい」(25.7%)、「女性活躍を推進するためのノウハウ・情報(好事例や施策等)が不足している」(25.2%)などが挙げられた。

 なお、「外国人材を既に受入れている」企業は25.6%で、前年調査から2.1ポイント増と、コロナ禍が続く中でも微増。「今後受入れる予定」、「検討中」は計21.3%と同3.9ポイント減少したが、「宿泊・飲食」(34.8%)、「介護・看護」(33.9%)ではニーズ高い。これらの企業のうち、「特定技能外国人の受入れに関心がある」企業は47.9%で、前年調査から8.2ポイント減少も、コロナ禍で受入伸び悩むなか、企業の同制度に対する関心は依然高い。

 同調査結果は↓

https://www.jcci.or.jp/i/20210930_tayou.pdf