上半期の輸入差止件数が2年連続で1万4千件超え

 2021年上半期の税関における偽ブランド品などの知的財産侵害物品の輸入差止件数が1万4600件で、前年同期と比べて▲5.0%減少したものの、2年連続で1万4千件を超えて、引き続き高水準だったことを、財務省がこのほど公表した。輸入差止点数は46万764点で同67.2%と大幅に増加した。1日平均で80件、2545点以上の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。

 仕出国(地域)別にみると、輸入差止件数は、「中国」が1万1721件(構成比80.3%、前年同期比▲11.5%減)で、引き続き高水準にある。次いで、「ベトナム」が1422件(前年同期比225.4%増)、「フィリピン」が608件(同251.4%増)、「韓国」が289件(同19.4%増)。輸入差止点数でも、「中国」が35万1138点(同76.2%、同108.9%増)と、件数、点数ともに中国を仕出しとするものの構成比が依然高くなっている。

 知的財産別にみると、輸入差止件数は、偽ブランド品などの「商標権侵害物品」が1万4211件(構成比96.3%、前年同期比▲5.3%減)と大半を占め、次いで、偽キャラクターグッズなどの「著作権侵害物品」が314件(前年同期比42.1%増)。輸入差止点数についても、「商標権侵害物品」が34万1781点(同74.2%、同81.8%増)と大半を占め、次いで「著作権侵害物品」が6万1390点(同89.1%増)と大幅に増加した。

 品目別の輸入差止実績をみると、「衣類」が30.6%と全体の約3割を占めて最も多く、次いで、財布やハンドバッグなどの「バッグ類」が構成比27.2%、「靴類」が10.3%、「時計類」が5.1%。また、品目別の輸入差止点数では、イヤホンなどの「電気製品」が17.5%を占めて最も多く、次いで、「衣類」が13.4%、「家庭用雑貨」が8.9%、「布製品」が6.6%。「家庭用雑貨」(前年同期比1446.6%増)と「布製品」(同1447.6%増)は激増した。

 なお、輸送形態別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、郵便物が大半を占めており、「郵便物」が1万3262件(構成比90.8%、前年同期比▲7.1%減)と全体の9割強を占めて最も多く、次いで「一般貨物」が1338件(同9.2%、同22.5%増)。また、輸入差止点数でも、「郵便物」が18万4854点(同40.1%、同73.7%増)で最も多く、次いで、「一般貨物」が27万5910点(同59.9%、同63.1%増)で続いた。

 この件の詳細は↓

https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2021_1/ka20210910.pdf