入職率13.9%、離職率14.2%で9年ぶりの離職超過

 厚生労働省が5人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に実施した「2020年度雇用動向調査」結果(有効回答数:上半期9032事業所、下半期8841事業所)によると、2020年1年間の入職者数は710万3400人、離職者数は727万2100人で、9年ぶりに差引16万8700人の離職超過となった。年初の常用労働者数に対する割合である入職率と離職率はそれぞれ13.9%、14.2%、離職超過率は0.3ポイントだった。

 前年と比べると、入職率が2.8ポイント、離職率が1.4ポイントそれぞれ低下し、9年ぶりの離職超過となった。性別にみると、男性の入職率が12.2%、離職率が12.8%、女性の入職率と離職率はともに15.9%、就業形態別にみると、一般労働者の入職率と離職率はともに10.7%、パートタイム労働者の入職率が22.2%、離職率が23.3%で、同率もしくは離職超過となっている。

 入職者数を就業形態別にみると、一般労働者の入職者数は391万4400人で、前年に比べて43万3700人減少し、パートタイム労働者の入職者数は318万9000人で、同89万8100人減少。さらに雇用形態別では、一般労働者、パートタイム労働者ともに「雇用期間の定めなし」(入職者422万7500人、離職者397万9300人)、「雇用期間の定めあり」(入職者287万5900人、離職者329万2700人)のいずれも入職者数、離職者数ともに減少した。

 入職者を職歴別にみると、転職入職者数は469万2600人で、転職入職率が9.2%、未就業入職者数は241万800人、未就業入職者のうち、新規学卒者は132万3800人で、未就業入職率が4.7%。前年に比べて、転職入職率は1.5ポイント、未就業入職率は1.3ポイント、それぞれ低下した。男性は、新規学卒者が65万3800人で、転職入職率は8.3%と1.0ポイント、未就業入職率は3.9%と0.8ポイント、前年と比べそれぞれ低下した。

 転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は34.9%、「減少」は35.9%、「変わらない」は28.4%。「増加」のうち「1割以上の増加」は24.7%、「減少」のうち「1割以上の減少」は26.8%。前年と比べると、「増加」が「減少」を1.0ポイント下回った。また、雇用期間の定めのない一般労働者間の移動では0.1ポイント、パートタイム労働者間の移動では9.5ポイント、それぞれ「増加」が「減少」を上回った。

 同調査結果の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/gaikyou.pdf