博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、9月の消費意欲指数は45.6点で、前月比は-3.3ポイント、前年比でも-1.2ポイントとともに低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-2.8ポイント、前年比では+2.2ポイントの24.3%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(9月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。9月は、夏休み・帰省シーズンの8月に比べ消費意欲指数が低下する月であり、今年も前月比-3.3ポイントとなった。ただし、前年と比べ、カテゴリー別消費意向は幅広い分野で増加している。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は減少(8月395件→9月314件)、ネガティブな回答は増加(8月902件→9月943件)している。具体的には、8月に「夏休み、お盆があるから」が多く占めていた「季節柄の消費意欲」(8月114件→9月59件)は半減し、「欲しいもの/出費予定がある」(8月138件→9月117件)も減少している。
また、消費にネガティブな回答では「今月まで多く使った反動でセーブ」(8月25件→9月89件)が増えており、夏の反動で、9月は控えめの支出になることが予想される。コロナ禍関連の回答は、前月からは大きな変化はなかった。感染者が急増する状況下でも、消費意欲に対する影響は前年ほど大きくないことがうかがえるが、調査実施(8月2日~5日)以降、コロナ感染者数が増えているため、引き続き慎重にみていく必要がありそうだ。
前年比も消費意欲指数はやや低下しているが、指数の理由(自由回答)やカテゴリー別の消費意向には、好材料もみられる。消費意欲指数の理由をみると、「欲しいものがある」や「家族・友人のイベント、冠婚葬祭」など、消費にポジティブな回答(20年9月243件→21年9月314件)は前年に比べて増えている。消費にネガティブな回答では、コロナ禍の影響で前年多かった「金銭的理由での節約、我慢」(同294件→187件)は大幅に減っている。
また、「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は24.3%で、前月比は低下しているが、前年比は上昇。カテゴリー別の消費意向を前年と比べると、「外食」、「理美容」、「旅行」、「レジャー」、「書籍・エンタメ」、「化粧品」、「ファッション」、「食品」、「飲料」と、16カテゴリー中9カテゴリーで20件以上増えている。コロナ禍1年目で消費に慎重だった前年よりも、ソト消費を中心に幅広い分野で消費意向が高まっているようだ。
同調査結果は↓
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/202109-1.pdf