空家法施行から2021年3月末で6年が経過したが、全国で空き家対策が進んでいる。国土交通省がこのほど公表した空き家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)の施行状況等によると、法施行後2021年3月末までに、空き家等対策計画は全市区町村1741のうち、77%に当たる1332市区町村で策定されている。空家法の効果として、6年で約2.7万物件の特定空き家等の除却等(うち代執行351件)が進んでいる。
さらに、空家法に基づく措置に加え、市区町村における様々な空き家対策に関する取組みの効果によって、6年で約11.2万物件の管理不全の空き家の除却等(うち約1.5万物件の特定空き家等の除却等)が進んでいる。こうしたなか、空き家等の譲渡所得3千万円控除の特例の適用に必要となる「確認書」の交付実績が、2016年度から2020年度までの5年間で3万8520件(877市区町村)にのぼっていることも明らかになった。
同特例は、相続等により取得した被相続人居住用家屋又はその家屋の敷地等を、耐震リフォームするか取り壊して更地にし、2016年4月1日から2023年12月31日までの間に譲渡した場合において、相続日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものであることや、売却金額が1億円以下であることなど一定の要件を満たすときは、譲渡所得の金額から最高3千万円まで控除することができる。
特例の適用を受けるには、譲渡所得の内訳書や被相続人居住用家屋等の登記事項証明書、売買契約書の写し等とともに、譲渡した空き家等の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添付して確定申告する必要がある。被相続人居住用家屋等確認書は、相続した家が「相続したときから売却したときまでずっと空き家状態だったこと」を所在地の役所が確認した書面である。
「確認書」では、(1)相続開始直前に、被相続人がその家屋を居住用とし、かつ、その家屋に被相続人以外に居住人がいなかったこと、(2)その家屋及びその敷地等が相続の時から譲渡の時まで事業の用・貸付けの用・居住の用に供されていたことがないこと等の事項を確認した旨が記載されている。この確認書を添付して確定申告を行うことで、税務署では、特別控除の特例を適用できるかどうかの判断を行うことになる。
国交省の報道発表資料は↓
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001420161.pdf