昨年12月末の社長の平均年齢は62.49歳と高齢化進む

 2020年12月時点の全国の社長の平均年齢は62.49歳で、前年から0.33歳伸びたことが、東京商工リサーチがこのほど発表した「全国社長の年齢調査」結果で分かった。調査を開始した2009年以降、2019年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいる。年齢分布は、70代以上が31.8%で、2年連続で最多レンジとなり、前年比1.43ポイント上昇した。

 社長の高齢化と業績悪化の関連性は高く、直近の企業業績をみると、「増収」は30代以下で54.2%と最も大きく、年齢と反比例する形で70代以上は39.2%と4割を下回る。直近決算で減収企業の社長は60代が48.8%、70代以上も48.1%を占めた。また、赤字企業は70代以上が22.3%で最多だった。高齢社長に業績不振が多い背景には、長期的なビジョンを描けず、設備投資や経営改善の遅れが横たわる。

 都道府県別では、30道府県が全国平均の62.49歳を上回った。社長の平均年齢の最高は「高知県」の64.61歳で、6年連続トップ、前年から0.36歳上昇。次いで、「秋田県」64.53歳、「山形県」63.96歳、「岩手県」63.90歳、「長崎県」63.76歳の順。一方、最年少は2年連続で「広島県」の61.23歳だったが、前年から0.30歳上昇して初めて61歳を上回った。次いで「大阪府」の61.25歳、「滋賀県」61.51歳、「愛知県」61.55歳だった。

 総務省統計局の人口推計(2019年10月1日現在)から算出した「65歳以上人口比率」をみると、社長の平均年齢が高い「高知県」は35.2%(全国2位)、「秋田県」は37.1%(同1位)と高齢化が際立つ。一方、社長の平均年齢が低い「広島県」は29.3%(同34位)、「大阪府」は27.6%(同41位)で、全体の高齢化と社長の平均年齢は見合った動きをみせている。

 産業別の平均年齢は、最高が「不動産業」の64.23歳、次いで、「卸売業」の63.50歳、「小売業」の63.36歳と続く。最低は「情報通信業」の57.56歳だった。なお、2020年に休廃業・解散した企業では、社長の平均年齢は70.23歳で、初めて70代に達した。「休廃業・解散」企業の社長の年齢別分布は、70代以上が59.7%と約6割を占め、代表者の高齢化が事業継続を断念する理由のひとつとみられている。

 「全国社長の年齢調査」結果は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210804_02.html