日本政策金融公庫が飲食業や理・美容業、ホテル・旅館業などを対象に5月中旬に実施した「生活衛生関係営業の新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」結果(有効回答数3290社)によると、新型コロナウイルス感染症による事業への影響について、「マイナスの影響があった」と回答した企業の割合は、前回調査(91.9%)から4.3ポイント減少したものの、依然として全体の9割近く(87.6%)にのぼっている。
マイナスの影響があった企業を業種別にみると、「ホテル・旅館業」(97.3%)を始め、「映画館」(96.8%)、「氷雪販売業」(96.6%)、「飲食業」(94.0%)の4業種が9割を大きく超えている。最も少ない「食肉・食鳥肉販売業」でも74.8%にのぼる。事業へのマイナスの影響(複数回答)については、「売上の減少」との回答が98.2%と最も多く、次いで「営業時間の短縮・変更」(56.1%)、「休業」(36.2%)となった。
2021年4~6月の売上の減少幅(2019年同期比)ついて、「50%以上減少」と回答した企業の割合は、前回調査から0.8ポイント減少したものの、25.4%と依然として高い割合となっている。業種別にみると、「500%以上減少」との回答企業割合は、「氷雪販売業」(60.8%)、「映画館」(38.3%)が前回調査より増加したほか、「ホテル・旅館業」(61.2%)、「飲食業」(35.9%)も依然として高い割合となっている。
資金繰りについては、「運転資金が不足した」と回答した企業の割合は、前回調査(80.2%)から14.6ポイント減少したものの、依然として全体の7割近く(65.6%)にのぼっている。「運転資金が不足した」と回答した企業の補てん金額(調達金額の総額は、「100万円以下」が45.8%、「100~300万円以下」が23.9%となり、300万円以下と回答した企業の割合が69.7%と、全体の約7割にのぼった。
コロナ禍における事業環境の変化に対応するため、実施している(実施した)取組み(複数回答)は、「原価・経費の見直し」が31.1%で最多、「営業時間の見直し」(24.5%)、「新しい販売手法の実施」(22.9%)と続いた。コロナ対応の取組みの中で効果的だったもの(3つまで回答)は、「原価・経費の見直し」が34.6%と最多、次いで「新しい販売手法の実施」(29.1%)、「営業時間の見直し」(20.5%)となった。
同調査結果は↓