2021年度の決定初任給(2021年4月に確定した初任給)の水準は、大学卒(一律)で20万9884円、高校卒(同)で17万2025円だったことが、産労総合研究所が上場企業等を対象に実施した「2021年度決定初任給調査」結果(有効回答数329社)で分かった。4月入社者の初任給を引き上げた企業は29.8%(前回調査39.7%)、据え置いた企業が65.7%(同56.1%)となり、コロナ禍2年目の今期は、初任給の高騰に少しブレーキがかかっている。
初任給を引き上げた理由(複数回答)は、最多が「人材を確保するため」で61.2%、次いで「在籍者のベースアップがあったため」が44.9%。規模別にみると、「人材を確保するため」は中小企業で最も高く、これまであまり見られなかった傾向として注目される。一方、初任給を据え置いた企業の理由(複数回答)は、「現在の水準でも十分採用できるため」が54.2%、次いで「在籍者のベースアップがなかったため」が36.1%となっている。
2021年度の初任給額をみると、職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している企業の場合、大学卒は20万9884円、高校卒は17万2025円となっている。一方で、職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合、大学卒の「最高額」は21万8843円、「最低額」は19万8703円。高校卒では「最高額」は18万3142円、「最低額」は17万1466円だった。
なお、4月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、あるいは算定期間を過ぎた後の入社という場合が多いが、その中で、何らかの形で夏季賞与を「支給する」企業は83.3%、「支給しない」企業は9.1%。支給額の平均をみると、「大学卒」9万1117円、「高校卒」7万3276円だった。なお、夏季賞与の支給方法は、「一定額(寸志等)を支給」が63.1%と6割以上となっている。
同調査結果は↓