上場外食業者、2020年度の総売上9000億円を消失

 帝国データバンクが上場外食業者94社を対象に実施した「2020年度上場外食業者動向調査」結果によると、同年度の上場外食業者の総売上高は約3兆9797億300万円となり、前年度(約4兆8888億900 万円)から約9091億600万円減少した。上場外食業者94社の2020年度の売上高を2019年度の売上高と比較すると、減収企業は84社(構成比89.4%)で、増収企業は10社(同 10.6%)となった。

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や営業時間短縮、営業自粛要請などによって営業を制限されたことが大きく影響した。決算月別にみると、3月期決算の企業が45社と、全体の約半数を占め、そのうち42社が減収となり増収企業は3社にとどまった。減収となった84社の減少幅をみると、「10%~20%未満」が18社で最多、次いで、30%~40%未満」(15社)、「20%~30%未満」(14社)と続く。

 50%以上の減少となった19社をみると、すべてが2020年12月期決算以降の企業だった。居酒屋など酒類の提供を伴う飲食店を運営する企業が大半を占めており、新型コロナウイルスの影響が大きく表れている。減収となった企業のうち、3月期決算の企業42社の減少幅をみると、「30%~40%未満」が9社で最多、次いで、「10%未満」が8社、「20%~30%未満」、「40%~50%未満」が6社と続く。

 上場外食業者94社の2020年度の営業利益をみると、赤字となった企業は72社(構成比 76.6%)で、黒字となった企業は22社(同 23.4%)。前年度(黒字企業78社〈同83.0%〉、赤字企業16社〈同 17.0%〉)から一転、8割弱が赤字となった。増収かつ増益となったのは、日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングス、アークランドサービスホールディングスの4社となった。

 2020年度末及び2019年度末の店舗数の判明した90社をみると、2020年度末時点で前年度より店舗数が減少した企業は62社(構成比68.9%)となった。一方で増加となった企業は23社(同25.6%)で、5社が横ばいだった。なお、2021年3月期決算短信において2022年3月期の業績の見通しを発表した企業は45社中24社で、その24社すべてが増収を見込んでいる。そのほかの21社は未定としている。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210608.pdf