帝国データバンクがこのほど発表した「事業承継に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1242社)によると、事業承継に対する考え方は、「経営上の問題のひとつと認識している」と回答した企業が55.5%と半数を超え、最も高かった。また、「最優先の経営上の問題と認識している」は11.9%となり、企業の67.4%と3社に2社が事業承継を経営上の問題として考えていることが明らかとなった。
事業承継を「経営上の問題として考えている」割合を業界別にみると、「建設」が71.7%で最も高く、次いで、「製造」(70.0%)、「卸売」(68.2%)が続いた。他方、「金融」は44.0%で最も低かった。また、従業員数別では、「6~20人」(72.9%)と「21~50人」(70.9%)が7割超となった一方で、「1000人超」(33.6%)は3割台にとどまった。このように、業界や企業規模によって事業承継の捉え方に濃淡がみられている。
企業からは「中小企業が持続可能であるためには、継続的な収益確保できるための事業の確立と、後継者の確保・育成は最重要課題の一つ」(コンクリート製品製造、大阪府)といった声が挙がっている。他方で、「継承していくための準備がまだできておらず、人材育成を行うとしてもその若手人材が決まっていないのが問題点」(一般貨物自動車運送、香川県)といった、経営上の問題と捉えつつも後継者の人材に苦慮している様子もうかがえた。
事業承継を円滑に行うために必要なこと(複数回答)は、「現代表(社長)と後継候補者との意識の共有」が 43.5%でトップ、以下、「経営状況・課題を正しく認識」(37.4%)、「早期・計画的な事業承継の準備」(36.2%)、「早めに後継者を決定」(33.9%)などが3割台で続いた。特に「早めに後継者を決定」は、「中小企業」(35.1%)が「大企業」(27.8%)より7.3ポイント高く、先を見据えて次世代への継承を意識している様子がうかがえた。
企業の多くは、円滑な事業承継のためには、現代表と後継候補者との意識の共有をはじめ、経営状況の現状認識や早期の計画的な準備などが重要と考えていた。一方で、後継者の育成など長期の準備期間が必要であることから事業承継に不安を感じている企業もある。企業にとって円滑な事業承継には、自社における承継に向けた意識共有や事前準備に加えて、より使い勝手の良い税制へとさらに見直していくことが不可欠と言える。
同調査結果は↓