総務省が公表した「2020年家計消費状況調査」結果によると、2020年の二人以上の世帯におけるネットショッピングを利用した世帯の割合は48.8%と、10年前に比べ29.1ポイントの上昇となった。その支出金額は、1ヵ月平均1万6339円と、前年に比べ14.0%の増加。項目別に前年と比べると、新型コロナ感染症による外出自粛などの影響を受けた「旅行関係費」が▲51.7%の減少、「チケット」が▲54.2%の減少と大幅減少となった。
一方で、これらを除く全ての項目で増加となり、「食料」及び「家電・家具」が共に55.9%の増加と最も増加率が高くなった。世帯主の年齢階級別に前年と比べてみると、全ての年齢階級で増加となり、特に「70歳以上」は23.4%の増加と最も増加率が高くなった。なお、二人以上の世帯における2020年のネットショッピング利用世帯当たりの支出金額は、1ヵ月平均3万3353 円と、前年に比べ▲0.3%の減少となった。
2020年の二人以上の世帯におけるネットショッピングによる支出のうち、最も増加率が高かった「食料」を内訳ごとに前年と比べると、新型コロナ感染症の流行により、食料の宅配サービスなどの需要が増えたことなどから、いずれも大幅な増加となった。ネット注文により飲食店から提供される宅配に加え、ネット予約で外食した場合も含む「出前」が97.8%の増加と最も増加率が高く、次いで「食料品」は54.6%の増加となった。
また、世帯主の年齢階級別に前年と比べてみると、「70歳以上」が70.5%の増加、次いで「60~69歳」が59.3%の増加となるなど、高齢者の増加率が高い傾向にあった。さらに、「食料」の支出金額の増加に最も寄与した「食料品」を月別に例年と比べてみると、2020年は、3月から増加しており、新型コロナ感染症の流行に伴う外出自粛により、ネットショッピングを利用して食料を買う傾向が強まったことなどが要因とみられている。
2020年の二人以上の世帯におけるネットショッピングによる支出金額の内訳の構成比を前年と比べると、「食料」(19.0%)が2位から1位に、「家電・家具」(11.9%)が4位から2位となり、「音楽・映像ソフト、パソコン用ソフト、ゲームソフト」などの「チケット以外の教養関係費」も前年の5.7%から7.1%と割合を伸ばした。一方、前年トップだった「旅行関係費」の支出は23.8%から10.1%、「チケット」も4.8%から1.9%と低下した。
同調査結果の概況は↓
https://www.stat.go.jp/data/joukyou/2020ar/gaikyou/pdf/gkall.pdf