65歳以上人口の割合は28.8%~高齢社会白書

 内閣府がこのほど発表した高齢社会白書によると、我が国の総人口は、2020年10月1日現在、1億2571万人、65歳以上人口は3619万人、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.8%となっている。「65歳~74歳人口」は1747万人、同13.9%で、「75歳以上人口」は1872万人、同14.9%と、65歳~74歳人口を上回っている。2065年には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上と予測されている。

 年齢階級別に就業率の推移をみてみると、60~64歳、65~69歳、70~74歳では、10年前の2010年の就業率と比較して、2020年の就業率はそれぞれ13.9ポイント増の71.0%、13.2ポイント増の49.6%、10.5ポイント増の32.5%と伸びている。また、健康寿命は、2016年時点で男性が72.14年、女性が74.79年と、それぞれ2010年と比べて延びている。さらに、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延びを上回っている。

 75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向にある。2020年における運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は、75歳以上で5.6件、80歳以上で7.8件と、いずれも前年より減少。また、過去1年間のインターネット利用について、利用者の年齢階級別に増加率を9年前と比較すると、80歳以上が37.2ポイント増と最も大きく、次いで70~79歳が35.0ポイント増と、60代以上の者が特に増加傾向にある。

 なお、国際比較調査にみる日本の高齢者の生活と意識の特徴では、日本は近所の人との付き合いについて、「相談ごとがあった時、相談をしたり、相談されたりする」(20.0%)、「病気の時に助け合う」(5.0%)と回答する割合が、他国と比較して最も低い水準となっており、また、家族以外の人で、相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人がいない割合は31.3%で、最も高い水準となっていることが明らかになった。

 政府としては、新型コロナウイルス感染症による影響が長引くなか、2021年2月、内閣官房に孤独・孤立対策担当室が設置され、政府一体となって孤独・孤立の対策に取り組む体制が整えられたが、高齢者が望まない孤独に陥らないようにしたり、地域社会から孤立しないよう、ICTの利活用促進など感染防止に配慮しつつ、社会活動の参加を促す取組や見守りの支援の推進が求められる。

 高齢社会白書は↓

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html