国税庁はこのほど、生命保険契約に基づき支払いを受ける「復帰支援一時金」の所得税法上の取扱いについて、事前照会への回答を公開した。復帰一時支援金とは、保険期間中に被保険者が傷害又は疾病を原因として就業不能状態となった場合に給付金が受けられる「就業不能保険」(いわゆる第三分野保険)に付加する特則のこと。同給付金の支払事由に該当することで、被保険者は給付金に加え「復帰支援一時金」を受け取ることができる。
保険販売業者である照会者は、この復帰支援一時金について非課税として取り扱って差し支えないか照会している。その理由として、生命保険契約に基づき支払を受ける給付金の取扱いについて、所得税法で非課税となる保険金、損害賠償金等を規定しているが、身体の傷害又は疾病に基因して支払いを受ける生命保険契約等に基づく保険金は、所得税法第9条第1項第17号に規定する「非課税となる保険金」に該当する。
本件給付金は、保険期間中に被保険者が傷害若しくは疾病を治療している状態又は身体機能に所定の障害がある状態となることによって就業が不能な状態となり、その状態が支払対象外期間(就業不能状態に該当した日から起算して所定の日数が経過した期間)を超えて継続したと医師によって診断されたとき等に支払うこととしているため、傷害又は疾病を直接の原因として就業不能状態となった場合に支払う保険金に該当する。
そして、復帰支援一時金は、(1)就業不能状態が終了(死亡を除く)、(2)給付金の支払事由該当後に保険期間が満了、(3)就業不能状態ではあるが支払対象外期間であったために給付金が支払われず保険期間の満了後支払対象外期間を超えて継続した就業不能状態になったとき、を支払事由としており、被保険者が本件給付金の支払事由に該当した後、すなわち傷害又は疾病を直接の原因とする就業不能状態を保険事故として支払うものである。
また、この復帰支援一時金は、就業不能状態を終了しても多くのケースで必要となる療養費用等の補填として使用してもらうことを目的にしていることからすると、所得税法第9条第1項第17号に規定する非課税となる保険金に該当するものとの見解を提示した。これについて国税庁は、照会に係る事実関係を前提とする限り、照会者の見解の通りで差し支えないと回答している。
この件は↓
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/shotoku/210602/01.htm#a01