「リモート採用」の導入率は4割超、コロナ禍が契機

 コロナ禍の影響により、この1年の間にオンラインによる会社説明会や面接選考の実施など、「リモート採用」を導入している企業は増加している。マンパワーグループが、企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に実施した「リモート採用の導入と活用の実態調査」結果によると、リモート採用の導入の有無は、4割超が「導入している」(41.0%)と回答した。

 従業員数の規模別でみると、「100人以下」の企業では18.7%、「101~500人以下」の企業では39.7%、さらに、「501人以上」の企業では61.0%が導入済みと回答。従業員規模が大きいほど導入率が高くなる傾向がある。リモート採用を導入した時期は、「コロナ契機で導入」(28.4%)が約3割を占め、「コロナ契機で導入検討」(15.1%)を含めると、4割以上がコロナ禍をきっかけに導入、または導入を検討していることが分かった。

 リモート採用で行っていること(複数回答)は、「採用面接」(83.5%)、「説明会」(75.0%)が8割前後で行っている。以下、「適性検査」(48.8%)、「内定者フォロー」(48.2%)が続き、選考前から選考過程、内定後まで、採用プロセス全般で活用している企業が半数近くを占めている。「密を避ける」、「外出・訪問によるリスクを低減させる」など、採用担当者と参加者、双方への配慮としてリモートを活用している状況がうかがえる。

 リモート採用導入のメリット(複数回答)については、「採用業務負担の軽減」(65.2%)、「応募者の負担減」(62.2%)、「採用の時間効率が上がる」(56.1%)が上位を占めた。応募者数や参加者数が多くなれば、採用業務に加え、採用担当者側のコロナ感染症対策に関わる業務も増えることが想定される。そのため、規模の大きな企業ほど「採用業務負担の軽減」をメリットに感じる割合が高い傾向にある。

 一方で、リモート採用の課題・問題点(複数回答)については、トップが「人物像がつかみにくい」(51.5%)で半数以上を占めている。以下、「WEB環境」(36.0%)、「面接担当者の不慣れさ」(25.8%)、「会社側が伝えたいことがうまく伝わらない」(22.8%)、「互いの伝えることのボリュームバランスが悪い」(20.0%)が続く。面接担当者がオンラインを通じた対話や見極めのコツを早期につかむことが課題となるようだ。

 同調査結果は↓

https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20210602.html