2020年の労働災害の状況は、調査産業計で、災害発生の頻度を表す「度数率」が1.95（前年1.80）、災害の重さの程度を表す「強度率」が 0.09（同0.09）、死傷者１人平均労働損失日数が44.5日（同52.3日）となったことが、厚生労働省がこのほど公表した「2020年労働災害動向調査」結果で明らかになった。前年と比べ、度数率は上昇したが、強度率は横ばい、死傷者１人平均労働損失日数は減少している。
今回の調査結果は、100人以上の常用労働者がいる１万1033事業所及び総合工事業の延べ4673工事現場について集計。また、度数率とは、100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、労働災害の頻度を表す。強度率とは、1000延べ実労働時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す。死傷者１人平均の労働損失日数とは、労働災害による死傷者の延べ労働損失日数を死傷者数で除したもの。
産業別に度数率をみると、「漁業」が7.68、「農業、林業」が7.31、「生活関連サービス業、娯楽業（一部の業種に限る）」4.99、「サービス業（他に分類されないもの）（一部の業種に限る）」3.89の順。強度率では、「建設業（総合工事を除く）」が0.24、「電気・ガス・熱供給・水道業」0.24、「漁業」0.17、「サービス業（他に分類されないもの）（一部の業種に限る）」0.14の順となっている。
死傷者１人平均労働損失日数をみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が322.1日で最多、次いで「建設業（総合工事業を除く）」が294.3日、「製造業」が58.6日、「卸売業、小売業」が50.0日。その他の主な産業では、「製造業」が度数率1.21、強度率0.07、「運輸業、郵便業」が度数率3.31、強度率0.13、「卸売業、小売業」が度数率2.27、強度率0.11、「医療、福祉」（一部の業種に限る）」が度数率2.11、強度率0.06などだった。
一方、2020年の労働災害の状況を総合工事業（工事現場）でみると、度数率が1.30（前年1.69）、強度率が0.24（同0.29）、死傷者１人平均労働損失日数が186.8日（同174.3日）と度数率、強度率は低下、死傷者１人平均労働損失日数は増加している。工事の種類別にみると、「土木工事業」の度数率が0.88（同1.61）、強度率が0.38（同0.62）、「建築事業」の度数率が1.40（同1.71）、強度率が0.21（同0.21）となっている。
同調査結果は↓