設備投資計画がある企業は58.0%、前年度より増加

 帝国データバンクがこのほど発表した「2021年度の設備投資に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1003社)によると、2021年度(2021年4月~2022年3月)に設備投資を実施する予定(計画)は、設備投資計画が「ある」企業は58.0%となり、前回調査(2020年4月実施)から5.2ポイント増加となった。規模別にみると、「大企業」が69.7%、「中小企業」が55.6%、「小規模企業」が44.9%となった。

 全ての規模で前回調査より高く、特に大企業は前年度比6.7%増となり、中小企業(4.9%増)、小規模企業(4.5%増)より増加幅が大きい。業界別では、「製造」が70.1%でトップとなり、前年からの増加幅(同9.2ポイント増)においても最も高かった。総じて、企業の設備投資計画は新型コロナウイルスによって先行き不透明感が増していた時期の2020年度計画と比較して、上向いている傾向がみられた。

 予定している設備投資の内容(複数回答)は、「設備の代替」が 41.0%でトップ、次いで、「既存設備の維持・補修」(33.2%)や「情報化(IT化)関連」(30.3%)、「省力化・合理化」(27.8%)が続いた。前回調査からは「新製品・新事業・新サービス」(18.6%)が3.9ポイント増で最も増加。また、燃費改善や環境対策など脱炭素関連となる「省エネルギー対策」は7.4%となり、1割未満にとどまった。

 主な資金調達方法は、「自己資金」が 43.2%で最も高い。「金融機関からの長期の借入れ」(25.8%)や「金融機関からの短期の借入れ」(5.0%)といった金融機関からの調達は3割超となり、自己資金や金融機関からの借入れが資金調達の大部分を占めている。予定している設備投資額は、「1000万円以上5000万円未満」が 27.3%で最も高く、設備投資予定額における全体の平均は1億2572万円となった。

 設備投資を予定していない33.7%の企業のその理由(複数回答)は、「先行きが見通せない」が55.0%でトップ。前回調査から9.4ポイント減少となったものの、依然として半数超の企業が先行き不安を理由に設備投資を予定していない。2番目となった「現状で設備は適正水準である」(32.6%)は前回調査から7.3ポイント増加。新型コロナ以前の活発な設備稼働状態まで回復していないことが一因とみられている。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210504.html