コロナ感染拡大で「売上減」企業は23%から70%に

 内閣府が発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における中小企業の経営意識調査」結果(有効回答数4151社)によると、コロナ感染症拡大前(2019年)から感染症拡大後(2020年)にかけて、「売上減」と回答した企業の割合は23%から70%に、「採算赤字」は22%から50%にそれぞれ増加した。現在の経営課題(3つまで回答)としては、「コロナ感染拡大による売上減」と回答した企業の割合が65.5%だった。

 最低賃金の引上げを含む賃金相場が上昇した場合の対応策(複数回答)は、「人件費以外の経費削減」が43%と最も多いが、「業務効率改善への取組みによる収益力向上」(37%)、「製品サービスの新開発/提供方法の見直し」(31%)、「事業転換や企業統合を通じた販路拡大等による収益力向上」(30%)など前向きな対応策を回答した企業が3割以上ある。「雇用者の削減」(8%)、「新規・中途採用の抑制」(11%)は1割程度だった。

 業種別にみると、「人件費以外の経費削減」の回答割合が高いのは「運輸業・郵便業」。 「業務効率改善への取組による収益力向上」は「製造業」。「製品サービスの新開発/提供方法の見直し」、「販路拡大等による収益力向上」、「既存製品、サービスの値上げ」は「宿泊・飲食サービス業」。「システムや設備の導入による生産性向上」の回答割合が高いのも「宿泊・飲食サービス業」で、「設備投資の抑制」を大きく上回る。

 2021年の賃上げ実施見込みについて、「賃上げ実施予定」の回答割合は、正社員向けの回答割合(36%)が非正社員向け(24%)を上回った。また、同一労働同一賃金の対応について、何らかの対応を予定している企業は回答者全体で4割程度。「非正社員はいるが対応をする予定はない」は2割程度(21%)。対応内容(複数回答)として最も高いのは「非正社員の基本給の増額」(16%)だった。

 なお、テレワークについては、「導入している」企業は2割程度。「現在取り組んでいる」企業(19%)と「今後重点的に取り組みたい」企業(11%)と合わせると約3割となった。テレワークを導入しない理由(複数回答)としては、「テレワークに適した仕事がない」が81%と圧倒的に多く、次いで「業務の進行が難しい」(29%)、「顧客など外務への対応に支障がある」(11%)などが多かった。

 同調査結果は↓https://www5.cao.go.jp/keizai1/kigyochosa/kigyochosa.html