コロナの今後マイナス影響、前月比増で強まる警戒感

 帝国データバンクが発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1003社)によると、新型コロナ感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は 75.4%(前月比0.9ポイント増)となった。このうち、「今後マイナスの影響がある」(9.6%)は3ヵ月連続で一ケタ台となるものの、前月から2.0ポイント増加し、先行きに対する警戒感はやや強まっている。

 一方で、「(既に+今後)プラスの影響がある」は 4.1%となり、前月比0.8ポイント減で 2ヵ月ぶりに減少に転じた。業種別にみると、「マイナスの影響」を見込む企業は、「旅館・ホテル」が 97.1%で最も高く、次いで、「飲食店」(93.1%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(92.5%)、「広告関連」(90.5%)が9割台で続いた。他方、「プラスの影響」を見込む企業は、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」が20.9%で最も高かった。

 また、自社において業務時間全体に占めるテレワーク(在宅勤務やリモートワークなど)の実施時間を職種別にみると、「経営層(役員)」は業務時間全体のうち平均11.2%となり、「管理職」では同11.8%、「内勤職」では同13.4%、「外勤職」では同12.4%と、各職種とも業務時間のうちテレワークが占める割合は1割台にとどまった。他方、テレワークの時間が「70%以上」を占めている企業は各職種とも5%程度だった。

 一方で、各職種ともテレワークの時間が「0%(実施なし)」という企業は6割超となった。企業からは、「テレワークが推進されているが、現場管理が主な仕事であり在宅勤務というわけにはいかない」(内装工事、神奈川県)、「東京圏の会社ではテレワークがかなり進んでいると感じるが、地方では全くと言っていいほど浸透していないと思う」(建築材料卸売、宮城県)といった意見が寄せられた。

 都道府県別に業務時間に占めるテレワークの時間を平均すると、各職種すべてで全国平均を上回ったのは、「東京」、「大阪」、「神奈川」の3都府県。同地域は、2021 年4月にまん延防止等重点措置および緊急事態宣言が実施されている地域。特に「東京」では、「経営層(役員)」において業務時間全体のうちテレワークの時間が平均 23.5%を占め、「管理職」27.1%、「内勤職」30.5%、「外勤職」27.2%と、全国平均の2倍以上だった。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210502.html