4月の倒産件数489件、4月としては過去最少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は489件で、前月比は▲24.5%、前年同月比でも▲35.5%となり、9ヵ月連続で前年同月を下回った。2000年以降5番目の低水準、また、4月としては過去最少となった。業種別では、7業種中卸売業や製造業など6業種で、地域別では9地域中関東や近畿など全地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は799億9000万円(前月1400億5300万円、前年同月1614億6700万円)、前月比では▲42.9%、前年同月比でも、前年同月が2020年では負債総額最大だった反動もあり▲50.5%の大幅減少となって、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。負債5000万円未満の小規模倒産が297件、構成比は60.7%を占めた。負債額最大の倒産は、(株)グリーンインフラレンディング(東京都、破産)の約128億円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で二ケタ減と大幅に前年同月を下回った。卸売業(58件、前年同月比▲41.4%)は10ヵ月連続で減少。2000年以降2番目の低水準となった。製造業(62件、同▲20.5%)は、中国市場の回復など輸出関連の好材料に後押しされ、9ヵ月連続で減少。その一方で、食料品製造業(17件)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で飲食店向け業者の倒産が発生し、前年同月比54.5%増となっている。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は297件(前年同月比▲32.7%)で、構成比は60.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が329件(同▲34.2%)で構成比は67.3%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(85件)が構成比28.6%を占め最多、サービス業(80件)が同26.9%で続く。

 地域別にみると、全地域で前年同月比二ケタ減となった。関東(185件、前年同月比▲21.3%)は、9ヵ月連続の減少。群馬、埼玉、神奈川など5都県で減少し、なかでも東京都は9ヵ月連続の減少となった。近畿(126件、同▲35.1%)は、全府県で二ケタ減。特に卸売業・小売業の2業種は8ヵ月連続で減少が続くなど、減少傾向が続く。九州(34件、同▲40.4%)は2020年7月以降10ヵ月連続で減少、過去最長の連続減少期間が続く。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2104.html