産労総合研究所が発表した「新規学卒者の採用活動に関する調査」結果(有効回答数344社)によると、2021年3月卒業予定者に対して「採用活動を行った」企業は94.5%だったが、今期の採用計画に対する採用人数が「計画よりも少ない採用人数となった」企業は27.8%と3割弱だった。また、採用活動において新型コロナ感染拡大の影響があった企業は、「採用計画」45.4%、「採用人数」27.7%、「採用活動」72.7%、「採用方法」81.4%だった。
採用活動について影響があったとする企業の影響内容については、「採用活動の時期を遅くした(後ろ倒しにした)」が43.6%で最も多く、次いで、「採用活動を一時中止した」が41.0%、「採用活動の時期を早めた(前倒しした)」は6.0%だった。採用方法について影響があったとした企業のうち、その内容が採用活動の「オンライン化・ウェブ化」とする企業は90.5%にのぼった。
2021年3月卒業予定者の採用時期では、「春季のみ採用」が65.6%で最も多く、次いで「通年採用(年間を通じて随時)」18.6%。2016年調査と比較すると、「年3~4回採用」がわずかに増加しているものの、大きな傾向の変化はみられない。採用区分(複数回答)についてみると、「一括採用」が47.8%で最も多く、次いで「コース別採用」34.6%、「職種別採用」30.9%などとなっている。
3月卒業予定者の採用活動でかかった費用の総額は平均で1083.8万円。企業規模別にみると、1000人以上企業(2161.2万円)の総額は中堅企業(611.4万円)の約3.5倍、中小企業(325.0万円)の約6.6倍となっている。採用者1人あたりにかかった費用は平均46.0万円で、企業規模別にみると、1000人以上規模は44.3万円、300~999人企業は47.8万円、299人以下企業は45.8万円と、大きな差はなかった。
採用活動を「ウェフブ上で実施した」企業は85.2%で、大企業では98.5%とほとんどの企業がウェブを活用していた。うち、「コロナ禍以前からウェブ上で実施していた」企業は8.7%、「コロナ禍により初めてウェブで実施した」企業は72.2%と、多くがコロナ禍を機に採用活動にウェブを導入。活用の場面は、面接で「全てで活用」が28.9%、「一部で活用」が66.7%、内定式で「全てで活用」は37.7%、「一部で活用」は12.5%だった。
同調査結果は↓
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/kyoiku/gakusotsu/pr2105-1.html