上場企業新入社員の初任給、「全学歴引上げ」17.1%

 労務行政研究所が東証一部上場企業を対象に実施した「新入社員の初任給調査」結果速報(有効回答数210社)によると、2021年度の初任給を前年度と同額に「全学歴据え置いた」とした企業割合は74.3%と、昨20年度速報集計から15.8ポイント上昇した。一方で「全学歴引上げ」は17.1%と、同15.8ポイント低下した産業別にみると、製造業は22.5%の企業が引き上げたのに対し、非製造業は11.1%と1割程度にとどまった。

 初任給引上げ率の推移をみると、リーマンショックの影響による世界的不況の波を受けた10~13年度は2~4%台の低い割合が続いていたが、14年度は輸出産業を中心とする企業業績の回復、デフレ脱却に向けた賃上げの政労使合意などを背景に23.2%と大幅に上昇。賃上げ基調が続いた15年度はさらに上昇し39.9%となった。16年度と17年度は引き上げ率が 30%前後で推移したが、18年度は再び大きく上昇し、39.7%となった。

 しかし、19年度に35.7%と若干低下したのを境に、20年度、21年度と3年連続で低下した。21年度は17.1%と前年度から15.8ポイントの大幅な低下となった。また、全産業で見た学歴別の初任給水準は、「大学卒(事務・技術)一律」21万3003円、「大学院卒修士」22万9759円、「短大卒(事務)」18万3680円、「高校卒(事務・技術)一律」17万2049円となっている。

 同一企業における前年度初任給と比較した上昇率は、「大学卒(事務・技術)一律」0.3%、「大学院卒修士」0.2%、「短大卒(事務)」0.3%、「高校卒(事務・技術)一律」0.3%。「大学卒(事務・技術)一律」では、「据置き」が76.6%となっている。引き上げた場合の上昇額は「1000円台」が38.9%で最も多く、次いで「3000円台」が22.2%となっている。引き上げた場合の平均上昇額は2298円だった。

 同調査結果は↓

報道関係者各位 (rosei.or.jp)