日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に3月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4355社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2021年1~3月期実績ではマイナス幅が前期から1.0ポイント増の▲25.4と、中小企業の資金繰りは、ほぼ横ばいとなった。来期4~6月期はマイナス幅が同5.8ポイント縮小の▲25.4と改善となる見通し。
また、今期(1~3月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比2.5ポイント増の27.7%とやや増加。従業員規模別にみると、「0~20人」が同3.1ポイント増の26.6%、「21人以上」は同2.9ポイント増の36.1%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同1.7ポイント減の31.1%、「1千万円超5千万円以下」が同2.6ポイント増の52.2%、「5千万円超」が同0.2ポイント減の16.8%で、平均借入金額は3660万円だった。
今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比5.5ポイント増の79.9%と増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同5.7ポイント増の69.8%と増加する一方、「一部利用」は同0.3ポイント減の10.1%と横ばいとなった。来期(4~6月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)は同0.8ポイント減の▲0.8と横ばいとなった。
一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比0.2ポイント増の▲39.0と横ばいとなった。来期はマイナス幅が27.9ポイントと大幅縮小の▲11.1が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同0.3ポイント拡大の▲39.0と横ばいとなり、来期はマイナス幅が同23.0ポイントと大幅縮小の▲16.0の見通しとなっている。
なお、新型コロナ感染症の影響に伴う資金繰り対策として、21年1~3月に金融支援を「利用した」企業は34.6%と前期(36.7%)から低下。また、利用した金融支援(複数回答)は、「信用保証付き融資」が77.1%と最多。金融支援を利用した理由(同)は、「既存の取引先(仕入・外注・借入先等)への支払・返済など取引継続のため」が60.9%と最多、次いで「人件費支払など従業員の雇用維持のため」(57.6%)が続いている。
同調査結果は↓